日経ビジネスオンラインで、シリコンバレーで働いている人でシリコンバレーから離れたいと思っている人が増えてきており、とくにミレニアル世代(1982〜2004年生まれの世代)となると、46%がシリコンバレーから離れたがっていると言います。若いうちは少々生活コストがかかっても我慢できますが、結婚し、これから家庭を築こうとなるとシリコンバレーでは暮らしにくいので引っ越したくなるということでしょう。

アメリカでは、その地域がブランド化し、住宅費や物価が上昇してくると、より生活コストが安い地域に人びとが移動していくというのは珍しいことではありません。そして人びとが流出していった先で新しい魅力のある地域が生まれるというダイナミズムみたいなものがあります。人びとだけでなく、会社もコストの安い地域に移っていきます。そんなダイナミックな流動性を持っているのがアメリカです。

アメリカのベンチャー企業というとシリコンバレーに集中しているように感じてしまいますが、実はそうではありません。カウフマン財団が起業数、成長企業数、高成長企業比率などで指標化し起業都市ランキングをだしていますが、トップはワシントンで、第2位がテキサス州のオースティン、シリコンバレーのサンノゼは第3位にすぎません。
 
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kauffman_index_growth_entrepreneurship_metro_report_6_2016(PDF)

図はそのランキングの1位から40位までの都市をプロットしたものですが、シリコンバレーではないのですが、それがなにか、どこでもいいじゃないかという感じでしょうか。だから住みにくくなると、移っていってしまいます。
 
日本は中央集権型の国で、経済は東京に一極集中しています。全国の株式会社の4分の1は東京で、上場企業の半数近くが東京が本社です。住宅費は馬鹿高い、生活コストも高い、しかし東京以外でいい仕事先を見つけるのは至難の技というのが日本です。住みにくくなったから首都圏から脱出しようとはなりません。起業に関してもそうです。とくにITでは、地方で起業?なぜ?となるのが日本です。

地価の安いところで充分なデータセンターですら、地価も賃料も非常に高い東京のど真ん中にあるというのはどう考えても異常ですが、それがまかり通り、誰も疑問に感じないのが日本です。東京一極化は、働く人たちにも企業にも、不必要なコストの負担を強いているのが現実です。それで日本の生産性が高ければ問題ないのですが、労働生産性に関してはOECDの35カ国のなかで22位にしか過ぎません。

生活コストが上がれば、より高い生活の質の実現をもとめて自由に移動できる。より創造的な環境を求めて企業も移動する。日本もそんな国になればと思いますね。


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