iPhoneが登場してから10年が経ちました。その10周年にチャレンジするかのように、サムスンがフラッグシップ・モデルの「ギャラクシーS8」を発表しました。さらに秋にはiPhoneの記念バージョンが登場してくると言われています。ウォールストリート・ジャーナルが、このサムスンの新製品について、両端を覆うようにカーブし、ほぼ全面スクリーンになったティスプレイを「2025年からタイムスリップしてきたかのようだと絶賛していますが、まったくトキメキません。きれいだね、これが今後の新製品のディスプレイの基準になっていくのでしょうねという感想で終り。


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Galaxy S8を触って思うこと。iPhone 8のハードルを上げる未来感、国内対応への期待と悩ましさ - Engadget 日本版 :
 
それどころか、「ギャラクシーS8」の顔認証による画面のロック機能が、顔写真でも解除できてしまうことが分かって、あーあという感じです。

あとは、アップルが10週年にふさわしいなにかのサプライズを見せてくれるかどうかですが、もうスマートフォンは、ハードによる革新はすっかりS字カーブの首を垂れる段階にはいり、技術評論家や、ハード好きの一部の人たち以外は、旧製品や他社品と比較してどちらがいいかという相対的な違いにすぎなくなってきているように思えます。カメラ機能ももう物理的には目一杯のところまできているので、スペック競争ももう終盤に差し掛かっています。

いつごろまでハードに心が動いたのかと思ったのですが、もちろん日本で最初にiPhone 3Gが発売されたときは、発売の翌日にいろいろ苦労して入手し、新しい世界との出会いに感動したことは言うまでもありません。そういった感動、進化していると感じたのはiPhone5sまででしょうか。

関心がアプリや音楽配信や動画配信などに移ってしまいました。昨今で、なによりもビッグイベントだったのは、SIMフリーのiPhoneSEに買い替え、格安SIMを使うようになったことでしょうか。それでキャリアとは、MNVOで回線を利用しているだけの関係になりました。回線使用料が圧倒的に安くなりました。

ハードの進化が、ユーザー目線での価値アップにつながらなくなると、とうぜん買い替えサイクルも伸びてきます。
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また低価格ブランドでも、それなりに高い性能がだせるようになり、サムスンやアップルを追う中国勢が伸びてきます。2016年第4四半期の出荷数量では、電池発火問題を起こしたサムスンは前年同期比5.2%減で、Appleが首位に立っていますが、Huaweiが38.6%増、OPPOが116.6%増、vivoが104.7%増とトップの両者にやがて迫ろうかという勢いです。
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スマートフォンの焦点は、もはやハードの普及ではなく、ユーザーが手にしたスマートフォンの利用価値を広げるところに移ってくるのでしょう。iPhoneのsiriは相変わらずお馬鹿さんな返事をして楽しませてくれていますが、もしかするとアマゾンが音声認識「Alexa」を武器に「Fire Phone」でスマホ市場に再チャレンジでもしてくるのかもしれません。

あとはアップルがどんな仕掛けをやってくるのかを待つだけですが、直感的には、アップルそのものが進化パワーを落としてきているので、どうなんでしょうね。

きっと、通信機能をもった手のひらサイズのコンピュータのネットワークというインフラをどう活用するのかで競い合うの時代に入ってきます。そうなるとスマートフォンをめぐる世界の主役も別世界から登場してくるのでしょうし、コンテンツがヒットするかどうかで話題が盛り上がるかどうかも決まるという感じでしょうか。

その変化のチャンスをうまく掴んでいきたいものです。

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