スタッフが机に置いてくれた封筒を見ると、北海道の小室雄次さんからのものでした。封を開けると「事業に失敗しないための起業家宣言」というタイトルの書籍が入っていました。目を通すと、マーケティング・コンサルタントの小室さんが、顧客ゼロから起業10年で売上高20億円の事業を切り開いた実績をベースにお書きになった、ほんとうに分かりやすい起業戦略の本でした。本の帯には「生き残るのは20社中1社」とありますが、小室さんがチャレンジされたのは、ブームで参入したものの倒産ラッシュ、また赤字を抱え瀕死の企業が結構多い太陽光事業です。
買い取り電力価格が低下する逆風のなかで、よくも事業を軌道に乗せられたものだと感心します。やはり対象顧客をどこに絞るか、またどのような構えで、なにを強みとして事業を展開するのかの狙いが良かったのでしょう。まさに、「事業に失敗しないためのビジネスモデル構築ポロセス」を示し、また逆風の業界にあっても起業を成功させたサムシングが感じられる一冊です。
著者の小室さんに、お目にかかったのは北海道大学で「マーケティングは戦闘か、恋愛か」の演題で講演した時のことです。ブログで確かめると2010年の夏でした。北大で教鞭をとっていた同級生が設定してくれた講演会でした。
小室さんは講演を聴きにこられていたのですが、紹介され、翌日、札幌市内の眺めのいい素敵なオフィスにお伺いし話を伺うと、奇遇というか、仕事が重なっていた時期がありました。小室さんは、ソニー・マーケティングご出身で、ビデオテープやカセットテープの販売やマーケティングに携わっていらっしゃいました。ちょうどその頃、富士フイルムのAXIAのマーケティングのお手伝いをしていたので、ライバル関係にあったわけですが、仕事を離れれば互いにノーサイドです。むしろ、同じグラウンドで競い合ったことのほうがを懐かしく感じられました。その頃はもう事業をはじめていらっしゃったようです。
読む進むと、やはりマーケティングの仕事に携わっていらっしゃっただけに、考えかたで基本を外されていません。事業はやってみなければわからないことばかりです。しかし、構想の筋が悪いとか、致命的な矛盾や欠陥があれば、起業するまえから失敗しているのも同然です。より的確な狙いを発想するためには、マーケティングの基礎的な考えかたが役立ってきます。
いまさら、マーケティングの何を学べばいいのか、専門書は難しそうだという方。ビジネスには「絶対売れる」法則などなく、そう歌っているハウツー本は役立ちそうにないと感じるカンのいい人にはおすすめです。
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