豊洲市場移転の今後が不透明になってきましたが、土地購入当時の知事だった石原元都知事に「賠償責任はない」としていた都の方針を一変させ、見直すことを小池都知事が表明したことで、場合によっては土地購入費578億円を石原氏が支払わなければならない可能性も否定できなくなってきました。
晩節を汚すとはこのことでしょうか。新銀行東京で経営感覚がないままに暴走させてしまった結果、都に1,400億円の損失を負わせた責任も重いけれど、豊洲の土地購入に関しても、汚染処理の見通しが甘かったということでしょう。日本の先端技術をすれば課題はクリアできるという文化系独特の思い込みでした。しかもそのいずれもが、実際はどうであったかはわからないにしても、なにか利権がからんでいる話ではないかと疑わせています。これほど都民に損失を重ねた責任は免れません。

人気取りのためには後先を考えず行動する人ということでしょうが、「大年増の厚化粧がいるんだな、これが。これはね。困ったもんでね…」と威勢よく発言したときから、まださほど時間は経ていないにもかかわらず、豊洲問題がこじれてからは、追いかける報道のカメラが捉える顔の表情も冴えず、いかにも老いたという印象ですが、責任が及ぶ恐怖を感じているのかもしれません。

政界引退表明では「死ぬまでは言いたいことを言って、やりたいことをやる。人から憎まれて死にたい」と締めくくっていたのが、昨年の旭日大綬章を受章した際には「人から愛されて死にたいね」と語っていたようですが、どうも雲行きが怪しくなってきました。

まだこれから、都に責任があるかどうかの検証するという段階ですが、もし都に責任があるとなれば、都は石原都知事に損害賠償を求めることになってきます。そんな過去に行った施策で個人が責任を問われることがあるのかということですが、それがあったのです。

国立市で起こったマンション建設問題です。当時の上原元市長は、景観を損ねるとして、議会にもはかって条例を制定し、明和地所が計画していたマンション建設に対抗したのですが、その妨害で損失を受けたとして明和地所が訴訟を起こし勝訴しています。
そして国立市が上原元市長に損害賠償を求めた裁判で、東京高裁は、市の主張をほぼ全面的に認め、上原氏に3123万9726円を市へ支払うよう命じる判決を言い渡したのです。ちなみに明和地所は、金額の問題ではないとして、受け取った同額を市に寄付しています。

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それにしても、小池都知事は巧みです。水質試験で思わぬ結果がでて、豊洲市場移転問題の出口が見えなくなってしまい、下手をすれば小池都知事にも責任を問う声がでかねない状況になってきましたが、不透明さを感じる土地購入、また東京ガスに瑕疵責任を問わないとして建設を進めた石原元都知事の責任を再び問うことで、逆転劇の展開になってきます。

旭日大綬章の誉から一転して、晩節を汚すことになってしまった石原元都知事ですが、これも自業自得ということでしょうか。もし損失を支払うとなると、金額からすれば破産を選ぶしかありません。ご子息たちは、相続放棄で逃れることになりますが、それはそれで影響がでます。

それにしても、豊洲移転問題は理屈で考えれば、地下水がいくら汚染されていても実際は問題はないように感じますが、メディアが煽り、広がってしまった不安を払拭することは難しく、どう解決策を見いだすのか、気になるところです。