大統領就任演説は、あいかわらずのトランプ節でしたが、合理的かどうかよりは感情に訴える手法には危険な香りがします。日本との貿易不均衡に触れましたが、日経が指摘しているように、おそらく日本市場で敗北したフォードの影響を受けてのものでしょうか。
視野が狭く、目先の取り引きしか考えない、言うことがコロコロ変わる、平気で嘘をつく、まるで詐欺商法のセールスマンを感じさせる異色の大統領ですが、情報弱者の支持者にはわかりやすく、改革者として支持者には大受けしています。支持者にとっては、アメリカの既存の支配体制から民衆へと政治を取り戻す改革者です。既存の支配体制とは、軍産複合体、グローバル企業、ウオール街や銀行、そしてメディアで、時代劇に登場する悪徳な商人と悪代官たちということでしょう。現状に不満を持つ人々から熱烈な支持し、選挙で勝利を得ました。

この嵐がいつ収まるのでしょうか。いくら反対デモが起こっても、トランプ大統領は富の格差による「分断」を利用し、怒りを煽って「対立」にもちこむことで支持者を熱狂させてきたので、それはトランプの嵐を収める決定打にはなりません。トランプ大統領の暴走が続けば、世界経済に悪影響がでるだけでなく、世界情勢が混乱に向いかねません。

トランプ大統領の経済政策では現実とずれた認識や考えかたに無理があります。NAFTAの見直しを行って、メキシコやカナダから米国に工場を戻せと主張し、自動車メーカーに脅しを行っていますが、これはむしろ米国の自動車産業を後退させる結果を招き、下手をするとかえって失業者を増大させるリスクを生みます。詳細は明日発行のメルマガをご参照ください。

トランプ流で、期待できるとすれば、法人税の減税とインフラ投資による景気対策ですが、とくに後者は、ほんとうに実行できるかは不透明です。公共投資予算については議会の承認を必要とするからです。トランプ・マジックでも使わなければ、与党の共和党が両手をあげて賛成するとは考えにくいところです。

最初の試金石になってくるのが、もうすぐ議会で行われる一般教書演説ではないでしょうか。就任演説はトランプ流をつらぬいたのですが、注目したいのは、そこで何が語られるのかです。こちらも就任演説と同じ内容だと、議会、とくに与党の共和党との関係が冷え込む、あるいは結束が揺らぐ可能性がでてきます。

まだまだゴシップがでてきそうで、共和党から反旗がひるがえるような事態を招くと、オバマ大統領が議会で苦しんだように、トランプ大統領も議会運営で躓いてしまいます。日本の議院内閣制とやや事情が違うところです。トランプの嵐に脅威と危機を感じる共和党の議員も少なからずいるはずで、議会がトランプ大統領の嵐を和らげてくれることを期待したいところです。

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