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国立民族学博物館の特別展『見世物大博覧会』を見てきました。見世物小屋といえば、小沢昭一さんが集めた放浪芸のドキュメントが知られていますが、天才歌人で「天井桟敷」を主宰していた寺山修司もこの見世物小屋に特別な思いがあったようです。
金魚を飲み込み釣り糸で胃から出してきたり、アルコールを飲み込んで、一気に火炎を吹く芸の「人間ポンプ」の動画なども紹介されていました。女相撲、タコ女、蛇女、幽霊など、暗闇のなかで薄暗い明かりに浮かび上がる奇異で、幻想を誘う世界です。
見世物小屋 今は亡き夏の祭りの風物詩 - NAVER まとめ : 

 

しかし、正直言って見世物小屋は子供時代に見た記憶にないのです。

猿回し、やまがらのおみくじ芸、飴細工、南京玉すだれなどの大道芸はやっていたし、夜店などの、寺社の参道などの露店はいまでも立ち並びますが、見世物小屋は見たことがありません。

考えられるのは世代の違いか、地域の差のいずれかです。見世物小屋に郷愁を感じる世代は、どうも一世代前のひとたちなのかもしれません。

あるいは地域です。育ったところは近くに今も健在な「枚方パーク」があり、菊人形やOSKのラインダンス、またサーカスなどのイベントがあったので、見世物小屋が入り込む余地がなかったのかもしれません。あるいはもっと都会でないと来なかったのでしょうか。今でも見世物小屋が開催されているのは、北海道、関東、福岡で、関西はもともとあまり見世物小屋の興行が盛んでなかったのかもしれません。

『見世物大博覧会』を見終え、駐車場に向けて歩いているとちょうど現代の大道芸人によるジャグリングのパーフォーマンスをやっていました。二人でトスしあう炎のジャグリングは息をのむ芸でした。大道芸は現代に引き継がれているとしても、『見世物大博覧会』で感じる闇のなかの暗い明かりに怪しく浮かぶ世界とは時代の断絶を感じます。
 
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もちろんテレビがエンターテインメントの世界を変えたということもあるのでしょうし、何に非日常を感じるのかも時代によって変化してきたのでしょう。現代はさらに進んで、コスプレやハロウィーン・パーティのように、芸人だけが見せる異質な世界でなく、みんなが演じて非日常をつくり体験する時代になってきているのでしょう。