トランプを勝たせたのはFacebookだという批判があるようです。Facebookのニュースフィード上に表示された虚偽の情報や偏った投稿が大きく影響したというのです。ザッカーバーグCEOはそれは馬鹿げたことだと反論し、虚偽のニュースが流れるのは一方だけでないだろうと疑問も投げかけていますが、問題はもっと別のところにあったような気がします。
まず、メディア戦略の違いがありました。クリントンは資金力を背景に最初から大量の広告を展開し、トランプ陣営は、最初はインターネットに照準を当て、選挙戦の最後にテレビ広告を投入し、仕留めるという戦略にでたと日経のFT記事が分析しています。
 
10月19日の時点で、クリントン陣営が2億4400万ドルもの広告費のうちインターネット広告には1000万ドルほどしか投じなかったのに対し、トランプ陣営は広告費1億2900万ドルのうち5700万ドルをネット広告に充てている。

[FT]米大統領選TV広告、トランプ効果で減少  :日本経済新聞 : 


しかも、トランプ陣営は無料のSNSを活用による効果は46億ドル相当になるとか。もしその通りだとすると、クリントン陣営の広告支出が4億5000万ドルだったので、ネットの力の凄さを感じさせられます。

日々是マーケティング』さんは、こういったSNSによる情報の拡散を支えたのは、「ティ・パーティー」と呼ばれる若者たちだったのではないかとされていますが、おそらくそうでしょうし、それは自民党がネトウヨを巧みに利用してきたのと近いのかもしれません。

今回の大統領選で、敗れたクリントン氏側に不利な情報がSNSによって拡散した、というのは半分は正しいと思う。
その中心になったのは、オバマ大統領になった頃話題となった「ティ・パーティー」と呼ばれた若者たちだろう。
彼らは、SNSを使い自分たちと同じような思考の共感者を集め、分散させてきたからだ。
そう考えると、今回の大統領選は情報源の信頼度の変化に影響された部分もあるだろうし、SNSの発達が旧来の情報発信源である新聞やテレビなどのメディアを信用・信頼しなくなりつつある、ということが米国で起きている、と考えるほうがよいのかもしれない。

それもトランプ勝利を導いた要因だったのかもしれませんが、それよりも新聞メディアが「ドナルド・トランプは絶対に大統領にならない」という類の記事のオンパレードを展開し、それがネットにも拡散し、クリントン支持者をわざわざ投票にいかなくとも良いと思わせてしまったことがトランプ勝利を導いたとする見方をGIZMODEが示しています。
・Slate:「ドナルド・トランプは大統領にならない」
・Vice:「ドナルド・トランプが絶対に大統領にならない本当の理由」
・The Washington Post:「ドナルド・トランプは(ほぼ確実に)絶対大統領には選ばれない。これがその理由だ」
・Salon:「ドナルド・トランプは大統領にならない:歴史、調査データ、デモグラフィクスが示す、たったひとつの結果」
・U.S. News & World Report:「ドナルド・トランプは絶対に大統領にならない」

もしそうだとすると、なんとも皮肉なメディアのメカニズムが働いてしまったことになります。

資金力で圧倒しマス広告に頼ったクリントン陣営が、うまくネットの特性に乗ったトランプ陣営に負けたことは、メディアの主役の交代を象徴する歴史の転換点の選挙だったのかもしれません。それにしても選挙資金でトランプ陣営の2倍近い資金を注いだクリントンが敗れたことは広告業界にとってはさぞかしショッキングな出来事だったのではないでしょうか。

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