サウスウエスト航空の機内で起きたノート7爆発事件以降、爆発事故が続いているギャラクシーノート7ですが、その後約250万台におよぶリコールを実施していましたが、ついに11日未明に生産と販売の中止をサムスンは発表しました。スマートフォンで世界のトップを走り、膨大な研究開発費を注ぎ込むサムスンが「品質問題」でつまづいたことになります。

メルマガのなかでも触れましたが、サムスンの主張はサムスンSDIから供給を受けていたバッテリーの問題だとしていました。しかし、どうも設計そのものに問題があったのではないかという疑いが濃くなってきたのです。

GMS業態変革のための2つの視点 :: 「視点を広げる - 大西宏のマーケティング発想塾」10月11日号


部品の欠陥なら、部品を交換すれば問題は解決します。しかし、問題がないとしてきた中国ATL社のバッテリーに交換しても発火事故が相次いで起こったとなれば、部品ではなく設計そのものに問題があった可能性が高まってきます。

もし、事故原因が部品ではなく、設計に問題があったとすれば、サムスンの「技術力」や「品質」で築いてきたブランドが足元から崩れかねません。


発火を起こした製品の多くが各国の当局が押さえたままで、サムスンは原因を追求するのが難しい状態です。しかし、事態の収拾が長引けば長引くほど、サムスンのブランドへの不信感も広がり、しかも設計そのものに問題があったことが後に判れば、最悪で致命傷になります。


だから各国の規制当局の調査結果を待たずに生産中断決定を下したのでしょう。


しかし、原因をよく調べずに、いきなりバッテリーの問題だとして、部品交換に踏み切った判断は、いくらスピード経営がサムスンの強みだと言っても、それはフライングだったと言われてもしかたありません。事故が続いて報告された時点で、発売中止に踏み切ることができず、傷口を広げてしまったのです。しかも原因をバッテリーの欠陥にしたために、皮肉なことに、対応が後手後手になってしまいました。

おそらくエリー判断ミスをしたその背景には背中に迫ってきた中国メーカーを一歩でも技術で先行したいという思惑や焦りがあったのではないでしょうか。難しい経営判断なのでしょうが、結果は凶とでてしまいました。


いずれにして、こうなった以上は、サムスンが原因を自ら究明し、それを明らかにしていくことが傷ついたブランドを回復させるためには絶対条件になってきます。サムスンがそうできなければ、他の製品への不信感が広がっていくことも避けられそうにありません。

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