コンビニ業界が再編へ動きだしています。ファミリーマートは、ユニーと経営統合したことで、当面はサークルK、サンクスのブランドは残しますが、国内店舗数は1万8000店舗となり、セブン−イレブンの1万8600店舗に迫る規模になります。そして店舗数では1万2400店舗と遅れをとったローソンは、三菱商事がTOB(株式公開買い付け)を実施し、出資比率を現在の33.4%から過半数以上へ引き上げようとしています。


なにかコンビニ三強がしのぎを削る新しい競争の歴史が始まるのかという感じも受けますが、1店舗あたりの売上でセブン-イレブンが圧倒的に優位に立っており、つまり効率で格差があるので勝負にならず、実態としては、ファミリーマートやローソンは攻めこんでくるセブン−イレブンにどう対抗するのかという感じでしょうか。


セブン-イレブンの攻勢は、もう勝負のついた関東よりも、これまではローソンの牙城だった関西で、その凄まじさを感じます。あれよあれよというまに、エリアをセブン−イレブンで埋め尽くそうという地域ドミナント戦略にもとづいた出店攻勢で、まるで戦国時代の様相となってきています。


コンビニは、すでに既存店の売上の伸びが止まり、業態としては成熟期に入ってしまったので、店舗を増やすことでしか売上が伸びない時代に入ってきています。そうなると、とうぜんコンビニ間の競争が激しくなってきます。立地が悪い、あるいは経営力がない店舗は淘汰されていくのでしょう。


この競争で優位に立っていくには、やはりお弁当などの日配品、またその他のオリジナル商品やPBの魅力、また品質が鍵になってきますが、それを支えるネットワークの競争になります。実際に、コンビニ戦争の裏では、商社と商社の戦いもはじまっています。


海外を伸ばすことと、コンビニの常識を塗り替えるような新しい業態を生み出すことも成長力を再構築する鍵になってきます。それにしても、そろそろ魅力ある新業態を生み出してもよさそうに感じるのですが、なかなかいい事例が登場してきません。


通勤途中のセブン−イレブンの新店はガソリンスタンドとの併設で、アメリカのセブン−イレブンスタイルを国内に持ち込んできた感じですが、つい最近、別のところでやはりガソリンスタンドと一緒になったオープン間近の新店を目撃しました。ガソリンスタンドだけでは経営が厳しく、セブン−イレブンらしい展開の切り口です。ファミリーマーやローソンは、なにか面白い実験店のチャレンジをしているのでしょうか。


北海道のセイコーマートは、店内調理とイートインスペースを持った店舗で成功した魁ですが、他のコンビニは、イートインコーナーはあっても、なかなか店内調理まで踏み込んでいません。ローソンが実験店で展開していましたが、セブン−イレブンの攻勢で今は店舗そのものがなくなってしまっています。


さあ、再びはじまったコンビニ戦国を各社がどう乗り切ろうというのか、ぜひいいアイデアを見せて貰いたいものです。メルマガもご参照ください。

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