以前から指摘しているように、豊洲新市場問題は、盛り土がなされておらず、ほんとうに安全かというのと、地下に空洞を設ける、つまり設計変更の不透明さの二点がありますが、どうもマスコミの報道は、両者を織り交ぜながらも、世間に不安をばらまくマッチポンプとなってしまっているように感じます。

専門家会議が決定した盛り土がなされていない、だから安全でないということが繰り返され、地下に水が溜まっているから問題だとしていますが、ほんとうにそうなのでしょうか。


そもそも、盛り土をすれば安全だという前提に間違いはないのだろうかと疑わないのでしょうか。関西の人なら、阪神淡路大震災をのときに、西宮甲子園埋立地、六甲アイランド、ポートアイランドなどの臨海埋め立て地域で、広範囲に液状化が起こり、甚大な被害があったことを記憶している人が多いはずです。
 盛り土を行ない、直接建物を建てると、地震の際に液状化が起こるとどうなるのかを想像するとぞっとします。しばらく市場は機能しなくなります。地下空間はもしかすると液状化対策の役割を果たすのかもしれません。それを判断できる専門家に意見を聞いたマスコミはあったのでしょうか


地下空間の水ですが、建物の床ははるか上部の分厚いコンクリートです。それがほんとうに市場で扱う食品の安全に影響するのかはにわかには信じられません。

たとえば、公明党が微弱なシアンが検出されたと発表し、イメージは最悪となっています。しかし、構造的に考えれば、ただちに豊洲市場の安全が脅かされるものかどうかは別問題のように感じます。


しかし工法変更にいたるプロセスに関しては不自然です。もっといえば、汚染された用地を使うことそのもの、そして巨額の対策費負担は売り主の東京ガスにあったのではないかとか、いろいろ疑問は湧いてきます。


盛り土にこだわりすぎると、この複雑に絡んだパズルは解けず、移転するにしても、移転を中止するにしても、いい結果にはなりません。


今日は市場を通す取引が減少してきています。たとえばスーパーや外食チェーンなどは大元の卸や産地と直接取引を行う比率が増えてきているのですが、それでもなお、とくに築地市場は水産物や青果物が集積する世界最大規模の卸売市場であり、日本における建値市場としての役割を果たしています。つまり、市場での価格を決まる基準になっていて重要な存在なのです。

30
31

資料2:卸売市場をめぐる情勢について (PDF:1268KB) - 農林水産省
 

そして築地市場はその役割を果たすには、施設の老朽化が問題になっています。建物の一部が破損して落下するということも起こっています。カット野菜や魚の切り身など生鮮品に求められてきている加工を行う施設を設けるゆとりもなく、さらに建物の中心部などにアスベストが残っています。また、過密化によって市場内外の違法駐車や周辺道路での渋滞や事故の多発、また手狭なために作業が非効率になったり、清潔さが保てているとはいえないようです。


つまり築地も清潔、安全とはいえません。


築地に置いておくのは豊洲よりも安全ではないのかもしれないのです。豊洲を諦めるのなら、別の地域への移転が必要になりますが、果たして公共交通機関がある豊洲以上のいい立地があるかというと覚束ない話です。


つまり豊洲市場問題は、解かなければならないパズルだということです。不安を煽る、盛り土案は専門家が決めたから正しいという前提を疑わない、それではこのパズルは解けそうにありません。問題のひとつひとつを冷静に検証していくのが結局は解決への早道だという気がします。


SFAによる顧客管理ならアクションコックピット
モバイルの活用が広がる営業支援システム アクションコックピット