スペースXは、PayPalの前身のX.com創始者で、テスラ・モーターズを率いるイーロン・マスクが設立した宇宙開発ベンチャーです。打ち上げのコストの安さを強みとし、打ち上げたロケットの再利用でさらにコストを下げるための洋上の船に着陸させる実験にも成功しています。そのロケット「ファルコン9」が燃焼試験中に爆発した映像をご覧になった方も多いと思います。
米スペースX、ロケットが燃焼試験中に爆発 けが人なし | ロイター : 

昨年6月にも、打ち上げた後に第二段目のロケットが爆発する事故を起こしているので、相次いでの爆発事故です。この時は国際宇宙ステーションISSへの補給物資を搭載していた補給船「ドラゴン」や千葉工業大学が開発した流星観測カメラなどが失われています。


今回の失敗はロケットが爆発しただけでなく、思わぬ影響があったのです。今回、積んでいたのはイスラエルの通信衛星ですが、この衛星はフランスのEutelsat社とFacebookが、アフリカの14の国へインターネット環境を提供するための衛星でした。


フェイスブックは、「インターネットのない生活を送っている世界の3分の2の人々にインターネットアクセス、そしてつながることのメリットをもたらすことを目標」にしたinternet.orgの活動を行っていますが、その一環としての衛星打ち上げだったのです。

internet.org(日本語サイト) 



フェイスブックは、そんな活動の一環として、どの地域にどの技術を使って接続環境を提供するのが最適かを判断するために、衛星写真をAIで解析し、人口分布図を作成するプロジェクトも進めています。

衛星写真をAIで解析 – フェイスブックが進める人口分布図作成プロジェクト - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) : 



今回のファルコン9の事故は、このフェイスブック・プロジェクトのミッションや期待に冷水をかけてしまったことになります。

スペースXのロケット爆発、フェイスブックのプロジェクトにも影響 - Bloomberg : 



いくら打ち上げコストが安いといっても、積載するのも高額な機器なので、ロケットの打ち上げ成功率が問われます。昨年11月に日本のH−僑船蹈吋奪搬任曽紊欧棒功したときに、経済産業省が鼻高々に、日本のロケットは予定どおりに打ち上げる、オンタイム打ち上げ率が94.1%で、だんとつにトップだとそのランキングをホームページに掲載しています。成功率は第3位です。

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60秒解説】日本のロケットは●●●がダントツ(METI/経済産業省) : 


もちろん、ロケットも夢のある事業だとしても、全世界の人びとにインターネットでつながる環境を提供しようという夢のほうが壮大さを感じます。しかも、ビジネス規模としても、宇宙産業のなかでロケットの打ち上げ産業の占める比率は決して大きくはありません。そのために、内閣府の宇宙戦略室も、従来の衛星やロケットの開発からど、今後は課題解決手段として宇宙利用を推進していくとしています。


今回のスペースXの事故ではからずもフェイスブックのプロジェクトにも焦点があたりましたが、「なんのために」というミッションが明確です。日本は、そんなミッション、つまり目的ではなく、手段としての「ものづくり」に過度にこだわりすぎる風潮があり、発想が狭まり、成長力や競争力が低下してきましたが、せめて「ものづくり+アルファ」、しかもそのアルファこそが成長力や競争力の推進エンジンだという価値観が広がればと願うばかりです。


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