予想通り稲田防衛大臣は靖国参拝を見送りました。自らのポジションづくりのための保守突撃隊から、責任ある立場としての現実主義へと舵を切ったということでしょう。

防衛大臣として靖国参拝を避けたことは賢明だったと思いますが、尖閣で緊張が増してきている中国に配慮した、また日米関係の重要性が増してきたから避けたと言えばいいのに、突然のジブチ訪問が理由というのは、いかにも逃げたという印象を受けます。

早速橋下前大阪市長が批判されているように、稲田防衛相は、保守のイメージをつくり、靖国で煽り、靖国を利用してきたのだから、なんらかの見解の表明があってしかるべきでした。日本の保守政治のいいかげんさと堕落を象徴しているようです。

橋下徹氏「稲田さんは靖国参拝から逃げた」 防衛相に苦言 :


別に中国や韓国に遠慮するというのでなくとも、もし中国が尖閣などで見せている覇権主義に対抗するために、日米同盟を強化したいというのであれば、A級戦犯合祀問題をスルーするわけにはいきません。


まさか、稲田防衛大臣がA級戦犯を祀った背景にある、主権在民を否定する皇国史観に洗脳されているとは思いませんが、東京裁判を否定するのかどうかの議論をクリアにしていただかないと政治家としては無責任です。


東京裁判は日本が敗戦国であったために公平なものだったとは思いませんが、それを否定することは、戦後の日本の歩み、また日米同盟の否定にまで発展しかねない問題です。

靖国に参拝して日米同盟強化を主張するのは矛盾しているのです。だから2016年に靖国参拝した安倍総理に保守論壇の人たちは拍手喝采を送りましたが、米国に釘を刺され、安倍総理もそれ以降靖国参拝を避けざるをえなくなっています。


とはいえ、女性閣僚の靖国参拝に関しての問題は別のところにあるのかもしれません。もしかすると政治という男性中心社会のなかで女性議員が生き延び、存在感を示すためには、保守であれ、革新であれ、威勢よく、極端な立ち位置をとる必要があるのかもしれないのです。


そして、もはや保守も革新のいずれもが意味を失ってきており、保革という思考の枠組みからはやく卒業しないと日本はいつまでも政治の停滞から抜けだせませんが、もしそうせざるをえない事情があるとすれば、それは不幸なことです。


日本はまだまだ男女不平等社会だというのが現実です。とくに政治の世界は国会議員数を見ても、衆議院475人のうち女性議員は44人(女性議員比率9.3%)にすぎず、参議院も先月の選挙で女性議員が増えたとはいえ、まだ242人のうち50人(女性比率20. 7%)と異常なほど少ないのです。男性が支配する政治社会のなかで、女性議員でそれなりの地位や影響力あるポジションにつくのはいかにも大変なのではないでしょうか。

参院選女性当選最多…でも女性の政治参画、いまだ遅れ : 大手小町 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)


とくに自民党の女性議員の場合は、地域活動の神輿、盆踊り、そして靖国みたままつりの三点セットは欠かせず、さらに党の役員や閣僚に入ろうとすれば、胡散臭いけれど隠微な影響力をもつ老議員に可愛がられる、突撃隊となって野次を飛ばし、野党との攻防で先頭に立つなど突出した存在となって認められないと駄目だという現実があるのかもしれません。


本来なら女性議員に期待したいところ、また女性議員が強みにできそうなののは、生活者感覚の政治を実現することだと思いますが、はやく女性議員がそんな活躍をしてくれる時代がくることを望んで止みません。そのために変わらなければならないのは男性の意識ですが、政治の世界で鍵になってくるのは世代交代ではないかという気がします。


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