もう今時の方には通じないとは思いますが、昔「クリープのないコーヒーなんて」というCMがありました。辛味のない辛味大根では蕎麦好きには不満があるように、アップルに欠かせないのはなんといっても「サプライズ」でしょう。そのサプライズがなくなり、市場での予想に範囲でしか開発の成果がでてこなくなりました。

アップルの4〜6月期の決算が発表されましたが、2四半期連続の減収減益です。ただ、予想よりはよかったとして、過度の懸念が払拭され、株価はあがったものの、アップルの今後に陰りを感じる人は少なくないはずです。

アップル、不安を拭った廉価版効果 株価は時間外で急伸 :日本経済新聞 :

iPhoneへの依存度が高く、そのスマートフォン市場も先進国ではすでに成熟期にはいってしまい、ライバルはサムスンのみならず、華為(ファーウェイ)や小米(シャオミ)などからも追撃されるようになってきています。


実際地域別に見ても、2016年第2四半期の売上は、日本だけが前年同期比24%増ですが、米国10%減、欧州5%減と冴えません。なかんずくアップルが注力した中国市場で26%減、中国を除くアジア・パシフィック地域でも25%減では、敗北宣言がでてもよさそうですが、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が、この決算に「励まされる兆候だ」と喜びを隠さないというのでは、やれやれという感じです。


日経の記事にあるように、iPhone6、6Plusの不振を価格を抑えたiPhoneSEでしのぎ、画面サイズを9.7インチと小型化し、価格も抑えたiPadプロの投入でなんとか業績をつくろっているだけで、もうアップルはこれまでに蓄積してきた市場資産で生きていくしか道はないのでしょうか。


秋にはiPhone7がでてくるようですが、そのチャンスを活かせるのかどうか、なにかサプライズを仕掛けることができるのかどうかの試金石になってきます。


アップルでは、自動車開発プロジェクトが進んでいますが、MacBook AirやiMac、iPadなどのハードウエアの開発を統括した実績を持つボブ・マンズフィールド氏をプロジェクト責任者に起用したようですが、こちらの分野ももう強いライバルがひしめいていて、そんな競争環境でどんなアップルの独自性を発揮できるのかは決して楽観視できないように感じます。
 

アップル、EV開発責任者にマンズフィールド氏を起用 - WSJ : 


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