枚方といっても、なんと読むの?と戸惑う方もいらっしゃるでしょうが、「ひらかた」です。枚方市は、人口40万人超の大阪の典型的なベッドタウンです。その中心地の京阪電鉄枚方市駅の駅前の近鉄百貨店跡にCCCの大型百貨店「T-SITE 枚方」がオープンしました。
枚方 T-SITE | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設 :
さて、CCCは、Tポイント事業は順調のようですが、本業のCDやDVDのレンタル事業は決して順風が吹いているわけではありません。MBOによって上場を止めたので業績の詳細はわかりませんが、最後に公表された平成23年3月期の決算では、TUTAYAのFC事業とTポイントのアライアンス・コンサルティング、またネットの会員サービス事業は黒字でしたが、TUTAYA直営店は営業赤字でした。
DVDは、HULUやNetflixまたdTVなどに加えてAmazonも動画ストリーミングに参入し、もちろんTUTAYAも対抗したサービスを展開しているとしても、こういった競合の影響から逃れることはできません。
また音楽の世界も二極化してきています。アーティストやファン同士がふれあい、体験を共有できるライブ市場は伸びていますが、CD市場が衰退し始め、ダウンロード販売も不調で、聴き放題のストリーミングに移行し始めています。つまり聴くだけの音楽は、どんどん付加価値を失ってきているのです。そんな影響でしょうか、DVDレンタルの値崩れだけでなく、今ではCDレンタルも、TUTAYAに行くと、旧作なら10作品1,000円とまるでバナナのたたき売りのような状態になっています。
しかし、自治体から運営を受けるTUTAYA図書館ではいろいろ問題もあったようですが、CCCが今なお新業種、また新業態へのチャレンジを緩めないのは敬服に値します。
「挑戦する人たちは必ず失敗している。だけど試行錯誤する中で成長もしていく」という増田社長のチャレンジ精神がつらぬかれているのでしょう。
なにせ、会社の中核となるコンセプトが、「カルチュアインフラをつくっていくカンパニー」で、掲げるビジョンが、「世界一の企画会社」。ミッション(使命)は「私をおもしろくする会社」。事業領域が「生活提案」なので、時代の変化に敏感に反応し、なにか、既存の発想にとらわれずに、新しい風を市場に送り込むCCCというイメージが湧きますが、まさに、それを感じさせるチャレンジです。
期待したいのは3つの理由があります。
まずは、チャレンジをするCCCが成功すれば、世の中が元気になります。
第2に、枚方 T-SITEが成功すれば駅前活性化の大きなヒントになります。駅前の衰退に悩む自治体は数知れずあり、その希望となり、地方が元気になります。
第3は、百貨店やGMS(総合スーパー)がなかなか発想の転換ができず、成長力を失っていますが、その業態改革にもつながるひとつのあり方が見えてきそうだということです。つまり流通が元気になり、消費者がより買い物を楽しめるようになりそうです。
それにプラスするなら、CCCの増田社長もそうですが、出身地が枚方なので、地元がよくなってくれることはウェルカムです。
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