あれほど危機を迎えていた家電量販店でしたが、業績が回復してきています。もちろん原因のひとつは、都心部の店舗で「爆買い」の熱い風が吹いたことです。もうひとつの風はテレビや白物家電販売の好調です。とくに4K液晶テレビが売れ始めたことです。世の中はどう転ぶかわからないものです。
グラフは、ヤマダ電機の直近四半期の連結売上高と営業利益の推移を示したものですが、売上高は横ばいだとしても、営業益の回復が著しいことがわかります。もちろんヤマダ電機にもインバウンド消費の風は吹いたのでしょうが、多くの店舗の立地からすれば、それを支えた主役はテレビと白物家電の販売が好調だったのでしょう。
ヤマダ電機営業利益

ただ中味を見ると、まだまだ不安な要素が残ります。テレビは4Kテレビが値下がりしてきたために、値頃感がでてきて売れ始めました。価格が下がったといっても、かつての駆け込み需要後の、1インチ1,000円になろうという激しい値崩れ時期よりも倍以上の価格で売れているので利益がでるようになってきたのでしょう。
4K液晶テレビはもう高くない? 東芝「REGZA 43G20X」の最安価格が11万円を下回る! - 価格.comマガジン

しばらくは、4K液晶テレビが利益を支えてくれそうですが、こちらもいつ海外メーカーが仕掛けて、激しい価格競争が起こってくるか予断を許しません。パソコンも市場が縮小に向かい、またタブレットが想定外に伸びなかった、スマートフォンも、今年は格安スマホ以外はかなり厳しくなりそうで、家電量販店各社の焦点は次にどのような市場をとりこんでいくのかに移ってくるのでしょう。

家電量販各社が成長戦略を模索するなかで、流通業のイノベーションが起こってくれればと願うばかりです。

SFAによる顧客管理ならアクションコックピット
モバイルの活用が広がる営業支援システム アクションコックピット