マクドナルドの1月の既存店売上高が前年同月比35.0%増、客数17.4%増といい結果を出しています。既存店売上高は二ヶ月連続の増加、客数はなんと33カ月ぶりのプラスです。この間の展開を見ていると、ようやくマクドルドが生き残る狭い活路を見つけだすことができたのかもしれません
「おてごろマック」に新ラインナップ「チキンチーズバーガー(ニックネーム:チキチー)」と季節限定の「クリームシチューパイ(シチュパイ)」を加え、正午ちょうどのタイミングでのツイートを競うキャンペーン「チキチキランチ チキンレース」を実施したこと、マックチョコポテトが「新鮮で驚きのある組み合わせが好評」(マクドナルド)だったことなどが効を奏したようです。

これで、一昨年7月の鶏肉消費期限問題、さらに追い打ちをかけた一昨年末から昨年頭にかけた異物混入問題からの出口が見えてきたという感じでしょうか。しかしそれでも、昨年1月の既存店売上高は対前年同月比38.6%減、客数28.5%減と最悪の急降下だったので、問題が起こる前の2013年から比べると、まだ復活というには遠いことには変わりありません。

ただ、さらに1月末から、「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー(仮称)」(税込390円)」と長い名前をつけ、採用されたらバーガー10年分の賞金がもらえる「名前募集キャンペーン」を告知したことが話題を呼んでいるので、2月もいい結果がでそうな雰囲気です。

マクド


話題作りのためのメニューなので、実際に食べると期待を裏切られ、「詐欺バーガー」にしたらどうよという声もネットではちらほらしていますが、しかたない代償でしょうね。

好奇心を引き寄せ、消費者の記憶のなかで消えかけ、忘れさられかけていた「マクドナルド」を思い起こしてもらい、再び関心を呼ぶ効果につながります。記憶から消えさることがもっとも怖いのです。
【レビュー】マクドナルドの"長すぎる"名前のバーガーを実食! 名づけに挑戦してみた | マイナビニュース

「本物」「国産」「美味しさ」で競い合っても、ライバルに勝てそうにありません。北海道産ポテトなどで色付けはできたとしても、その土俵で勝負するには、食材そのもの、その調達ルート、店舗の運営システムもつくりなおす必要がありそうだからです。そんな本格的な転換に投資する体力も日本マクドナルドにはなさそうです。

マクドナルドが失ったお客さんを取り戻すために出来ることは、食材やメニュー、また店舗空間で「面白さ」や「楽しさ」「意外性」、また「遊び」などで話題をつくりだすことぐらいしかないというのが正直なところでしょうし、それに徹すれば望みが繋げそうです。

プレイランドを開設したお店は、駐車場の混み具合を見れば、それなりにファミリーを集める効果がでているようですが、ただ立地や店舗スペースによって制約があり、どの店にも展開できるというものではなく、しばらくは「話題」をつくることを目指したメニュー開発、その成否に復活がかかっているのでしょう。
プレイランド | お店で遊ぼう | McDonald's Japan

それがマクドナルドが生き残るもっとも現実的なスタンスの取り方、マクドナルドが生き残るための居場所になってくるのではないでしょうか。調達先から積極的に商品提案を受け始めているという噂もちらほらしていて、さて、この業績の上向きがどこまで続けられるのかに注目したいと思います。


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