かつては、関西はセブン-イレブンの出店が遅れたために、コンビニといえば、ローソンとファミリーマートという感じでした。しかし、今はセブン-イレブンの出店攻勢が凄まじく、コンビニ激戦地の様相を呈してきています。そのセブンイレブンは2016年度に、過去最多となる1800店出店を増やす方針です。さらに競争が熱くなってくることが避けられません。
まずは、コンビニの店舗数で、全国勢力地図をご覧ください。分布図をみると、セブンイレブンは南東北、関東、甲信越、山陽、九州、ローソンが関西、山陰、四国、サークルKサンクスが東海北陸で、北海道がセイコーマートとエリアによってどこが制しているのかが違っています。
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コンビニ勢力図 [ 2015年 ]|新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]


しかし、関西の2府4県に焦点を絞ると、まだローソンが店舗数でトップとはいえ、ローソンが2,354店舗(2015年11月末)、セブン-イレブンが2,270店舗と店舗数で拮抗しきています。昨年の夏に取り上げたのですが、そんな状況がさらに目に見えて進んきており、その激しさがひしひしと伝わってきます。
大西 宏のマーケティング・エッセンス : 関西で激化するコンビニ戦争

良好な立地はもはや限られているので、好立地を抑えているローソンのすぐ近くにセブンイレブンの新店が進出してくることも目立ってきています。それで撤退を余儀なくされたローソンの店舗も少なくないように感じます。セブン-イレブンのお客様に「近くて 便利」が、ローソンの「近くで 勝利」に見えてきます。

今のセブン-イレブンの勢い、数字から見た実力格差からみればもうすぐ勝負はつく、もはやセブン-イレブンは、セブン-イレブンというひとつのチェーンというよりは、、メーカーやサプライヤーが集積するオールジャパンのような感じになってきているのでましてやです。規模の違いで、PBを提供するメーカーやサプライヤーのサポートの厚みの差がでてきてきます。

セブン-イレブンは全国制覇にむかってまっしぐら、それももう間近に迫ってきていると見るのが正論です。ただ現実はそうそう思惑通りになるとは限りません。
思わぬ落とし穴があるかもしれません。

ひとつは、セブン-イレブンご自慢の一店舗の一日あたりの売上である日販の高さですが、この数年頭打ちとなり、伸びていません。これがセブン-イレブンにとっては、結構喉に刺さった骨となってくるかもしれません。好立地のところは生死をかけた競争があり、店舗を増やそうとすると少し立地が劣り、日販も落ちるというリスクです。

ローソンも日販が伸びていないので、格差がまだ残っており、持久戦には勝てそうですが、個店の日販が伸びなければ、売上を伸ばすには、他のコンビニから地域や顧客を奪っていくしか国内は成長が望めなくなってきます。
セブン、圧倒的強さの秘密 潰し合い突入のコンビニ業界、大きな差を生む「個店の稼ぐ力」 | ビジネスジャーナル

そしてセブン−イレブンは個店の売上も伸ばす政策として、各店舗を通販の受け取りのネットワークにしようとしています。オムニチャンネルからとった「オム二7」のベタなネーミングで、サイトを見ても誰が買うのだろうかと思わず首をかしげてしまいますが、売上も伸びず赤字のままです。

店舗数では飽和状態に向ってきているコンビニですが、次の成長をどう生み出していくのかの知恵なり打つ手がまだ登場していません。そして赤字から抜け出せないヨーカドーをなんとかしろと、モノ言うファンドがクレームをつけはじめています。
セブン&アイ、気になる「あの株主」の動向 :日本経済新聞

さてさて、コンビニ戦争の行方と成長の種づくり、そしてヨーカドー処理をどうするのか注目しておきたいところです。

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