ロイターが安保法制に関しての面白い調査結果を発表しています。資本金10億円以上の企業を対象として270社程度から得た回答結果で、安保関連法案の今国会での成立については6割強が反対で、最優先で取り組むべき政策については「デフレ脱却・成長戦略」との回答が圧倒的にトップで6割を超え、「外交安保」は2%に過ぎません。状況から考えれば、優先順位が違うだろうという結果だと思います
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ロイター企業調査:安倍首相、安保法案よりデフレ脱却に注力を | Reuters

アメリカからの要請を受けて、安倍内閣はいかに無理筋でも通さなければならい安保法制なんでしょうが、なんらかの利権があるか、軍事オタクか、ネトウヨでもなければ、今国会で通すのに賛成という人は世論調査でも少なく、経済回復のチャンスを逃してしまうと、それこそ日本の存在感も失われ、それをカバーしようとさらに軍事費負担が増えていく、いやそこまで考えなくとも、少なくとも安保法制の優先順位は低いだろうと思うのが普通の感覚だということでしょう。
安保法案「今国会の成立に反対」57% 本社世論調査  :日本経済新聞

 アベノミクスで、お金を刷って、インフレ目標を立て、デフレを退治すればみんな幸せになるという、まるで宗教のような経済学がまことしやかにマスコミを占拠した時期もありましたが、そんな話ももうほとんど聞かれなくなったばかりか、2015年4〜6月期の実質GDP成長率は、対前期比マイナス0.4%(年率マイナス1.6%)という状況となり、日本の経済に再び黄色信号が点滅しはじめています。もはや消費税増税の影響とはさすがに言えず、説明に困っているコメンテータの方もきっといらっしゃると思います。 

逆にアベノミクスに批判的で、あちらこちらからバッシングを受けてこられた野口悠紀雄先生の筆に力がこもってきたようです。小手先の経済政策はやめて日本経済の構造転換をはかれというというご説は、そのとおりじゃないでしょうか。
マイナス成長が明確に示す経済政策の根本的誤り|野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて|ダイヤモンド・オンライン

 まだまだ価値観やものの見方や考え方、産業構造も転換が始まったばかりの極めて大事な時期なのですから、無理やり煽って安保法制にエネルギーを注ぐよりは、しっかりした新たな経済政策を望みたいところです。

しかし産業の自律的回復力が効いているのか、円安で利益がでたからなのか、この間の株高で気分がいいのか、このロイターの調査で、足元の国内景気について、実質GDPが赤字になったにもかかわらず、なんと74%の企業が「どちらかというと景気拡大局面」だと感じていることは心強いところですが、中小企業を対象にした調査、また非製造業に絞った調査ではおそらく違った結果になったと思います。
大企業景況感 小幅な改善 日銀9月短観、非製造業は悪化  :日本経済新聞

所得が伸びないことが、景気を押し下げている最大の要因ですが、所得を伸ばしていこうとすると、産業の生産性を上げていくしかなく、そのためには究極はやはり人材になってきます。
 ここにいたって、これまで国としての教育投資がOECD諸国のなかでは極端に少なく、人材育成の投資を怠ってきたツケが来ているのかもしれません。今からでも遅くないので、思い切った教育投資を安倍総理が決断すれば、後の歴史に宰相として名が残るのではないでしょうか。
教育に対する公的支出割合が高い国ランキング…日本はTop10圏外 | リセマム