見事です。鶴なのか豹なのか姫なのかは別にして、アメリカの女性シンガー、テイラー・スイフトが「振り払っちゃえ(shake it off)」とばかりに、アップルがスタートさせる定額音楽配信サービスApple Musicの3ヶ月間の無料お試し期間に、ロイヤリティ報酬がないのなら最新アルバム「1989」を提供しないとブログで宣言したとたん、即日アップルが無料期間中も支払うと方針転換を発表したのです。
アルバム「1989」は昨年発売一週間で20万枚が売れた記録的な大ヒットアルバムで、もっとも人気のある "shake it off"はテイラー・スイフトに興味がなくともきっとお聴きになったことがあると思います。
同じ定額音楽配信サービスでは、日本に上陸すると言って、なかなかやってこないスポティファイですが、テイラー・スイフトは昨年11月に「1989」の楽曲を含む全楽曲を引き上げています。「音楽は芸術であり、価値がある。音楽は無料であるべきではない」という主張からです。
Spotify、レーベルには20億ドル以上支払った──テイラー・スウィフトの楽曲引き上げにコメント - ITmedia ニュース
スポティファイは、利用会員数が7500万人を超えたと発表していますが、月額9.99ドルを支払っている有料会員は2000人で、7割以上が何曲かごとに広告が入る無料会員です。
とはいえ、2015年度1-3月の期間中に、スポティファイが権利保有者に支払ったロイヤリティの総額が3億ドル(374億円)になるので、結構支払いが多いビジネス・モデルでスポティファイはなかなか黒字になりません。
世界最大の定額制音楽配信「Spotify」が有料会員2000万人、ユーザー数7500万人を突破
それにしても、テイラー・スイフトはずいぶんタフな主張をするアーティストだなと思ってウィキペディアを見ると、祖父までは3代にわたって銀行総裁、父親も銀行のファイナンシャル・アドバイザー、母親は投資信託会社でマーケティング管理を仕事にしていたというので納得してしまいました。
アップルの場合は、3ヶ月の無料お試し期間はアーティストへの支払いも無料にするかわりに、その後のロイヤリティは業界平均の70%を上回る71.5〜73%としていたようですが、テイラー・スイフトのアルバムを「1989」を引き上げるという一声で、即座に、無料期間中もロイヤリティを支払うと方針転換をしたわけです。スポティファイの件もあったので、予測していたのでしょう。
さて、アップルは、一貫してアーティストと仲良くするという態度ですが、なかなかスッキリといかないのは、そうやって音楽産業と友好的になればなるほど、YouTubeやスポティファイなどの広告付き無償ストリーミングサービスの競争力を阻害する独占禁止法違反だという嫌疑をかけられてしまうのです。もうすでにApple Musicについても米ニューヨーク州と米コネチカット州が共同で調査をはじめたようです。電子書籍販売で、独占禁止法の疑いをかけられたために事業が停滞し、アマゾンに出し抜かれてしまったた過去を彷彿とさせます。
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音楽業界からはロイヤリティを求められ、一方ライバルには広告収入モデルの「無料」サービスがあり、iTunesのダウンロード販売の売上は落ちてきていて、アップルも大変ですが、こういった流れができたのも、iPodの成功とiTunesの組合せで、好きな音楽をいつでも、どこでも、いくらでも聴けるようにし、音楽を「環境音楽化」してしまったこと、結果として「聴く」だけの音楽のコモディティ化が進んでしまったのでいたしかたないことかなと感じます。
大西 宏のマーケティング・エッセンス : 定額音楽配信が音楽市場をさらに縮小させそう
しかし、体験、体感する音楽としてのコンサートは、うなぎのぼりに売上が伸び、またアーティストに入るロイヤリティはさほど変化していないので、消費者の意識と業界の構造の変化が起こっているだけと見れば、いろいろなサービスが増えることは大いに歓迎すべきことです。

モバイルの活用がj広がる営業支援システム アクションコックピット
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それにしても、テイラー・スイフトはずいぶんタフな主張をするアーティストだなと思ってウィキペディアを見ると、祖父までは3代にわたって銀行総裁、父親も銀行のファイナンシャル・アドバイザー、母親は投資信託会社でマーケティング管理を仕事にしていたというので納得してしまいました。
アップルの場合は、3ヶ月の無料お試し期間はアーティストへの支払いも無料にするかわりに、その後のロイヤリティは業界平均の70%を上回る71.5〜73%としていたようですが、テイラー・スイフトのアルバムを「1989」を引き上げるという一声で、即座に、無料期間中もロイヤリティを支払うと方針転換をしたわけです。スポティファイの件もあったので、予測していたのでしょう。
さて、アップルは、一貫してアーティストと仲良くするという態度ですが、なかなかスッキリといかないのは、そうやって音楽産業と友好的になればなるほど、YouTubeやスポティファイなどの広告付き無償ストリーミングサービスの競争力を阻害する独占禁止法違反だという嫌疑をかけられてしまうのです。もうすでにApple Musicについても米ニューヨーク州と米コネチカット州が共同で調査をはじめたようです。電子書籍販売で、独占禁止法の疑いをかけられたために事業が停滞し、アマゾンに出し抜かれてしまったた過去を彷彿とさせます。
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