総理大臣官邸の屋上で小型無人機「ドローン」が見つかり、放射性物質が検出されるというショッキングな事件が起こりました。2ヶ月ほど前には、ホワイトハウスでやはりドローンが墜落する事件が起こったばかりで、ITジャーナリストの島田範正さんが、その事件のマスコミの扱いの日米の差を指摘され、「警備にあたるシークレットサービスの厳戒態勢にも穴があることを露呈させた」ことの重大性について触れられていました。
ホワイトハウスへのドローン侵入は日本への警鐘だ
それにしても、ホワイトハウスでの事件があったにもかかわらず、官邸の警備の隙をつかれたとは、あまりにも迂闊だという批判が起こってもしかたありません。積まれていたのが、さほど害のない放射線の汚染水であったために、大惨事にならなかったのはむしろ幸運だったのではないでしょうか。

もし20年前にドローンが今のように売られていたらどうだったのでしょう。ゾッとします。きっと地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教が、ドローンを使ったテロを引き起こしていたのかもしれないからです。サリンとか、細菌やウィルスを空中から散布されたらとんでもない惨事を引き起こしたのでしょう。

ドローンは確かに便利でしょう。ドローンで、アマゾンのように無人配達を考えたり、医薬品を15分以内に届けるベンチャーが生まれたり、また空中からの撮影に使ったりとさまざまな目的で活躍しそうです。

しかし、無人で飛ぶことは犯罪やテロとも結びつきやすいのです。武器のコモディティ化が、テロ組織への武器拡散につながったように、ドローンの高性能化や低価格化もテロリストの利用を促しかねません。

アマゾンのドローンも、もしテロ集団に、システムごと乗っ取られれば、鳥の群れが人を襲うヒチコック映画のように、人を襲いはじめるのかもしれません。

鳥 [DVD]
ロッド・テイラー
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2007-06-14


今日は、国家対国家、軍隊対軍隊の戦争がほとんどなくなったかわりに、軍隊対武装集団との戦闘や市民に向けたテロが国境を超えて起こる時代になってきています。とくに先進国にとっては、もっとも現実的な脅威はテロです。

技術の革新そのものは素晴らしいことですが、光と影があるように、手放しで拍手喝采するだけでなく、技術革新が起こす負の側面も直視することが現代は求められているようにも感じます。

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