「テレビと冷蔵庫の戦い」とは面白いたとえです。テレビで勇ましくナショナリズムを煽れば煽るほど、またウクライナで親ロ派が優勢になればなるほど、プーチン大統領のロシア国内での人気は高まります。しかし、その結果、経済制裁としてロシアへの禁輸措置が行われ、またそれに対抗した輸入禁止で、食料品などが不足し、家庭の冷蔵庫が空になっていくと、その不満からプーチン大統領の人気が落ちていきます。その葛藤をうまくとらえたファイナンシャル・タイムズの記事タイトルです。
ロシア国民の心を巡る「テレビと冷蔵庫の戦い」 西側は戦場でプーチンと戦うより、弱いロシア経済を狙え:JBpress(日本ビジネスプレス)
これは武力による「古典的な戦闘」と「経済による制裁」の性格の違いをも示しているように感じます。ロシアもいまやグローバル経済のシステムから逃れて国が成り立つ時代ではありません。

まだロシアへの経済制裁のレベルはそう高くなく、もし、国際経済社会のシステムから追放するところまでは行ってない状態でも、ロシア経済は厳しくなってきています。もし経済制裁のレベルを上げれば、もっと深刻な経済危機にロシアが陥ってしまう可能性が高いのです。

簡単な話、もしロシアを世界の金融ネットワークから締め出し、国際的な銀行間送金システムを使えないようにしてしまえば、ロシアは天然ガスを輸出もできなくなり、また輸入も途絶え食料や物資が底をついてしまいます。いくらロシアの民主主義は遅れていると言っても、北朝鮮のように国民に窮乏生活に我慢を強いることはできません。

さて、その焦点となっている問題のウクライナですが、ウクライナ停戦協定がすんなり守られると思った人は少ないはずです。やはり親ロ派が、停戦協定でどちらの支配下に置くのかがあいまいだったデバリツェボへの侵攻を行ない、包囲された数千人の政府軍部隊と親ロシア派の武装勢力の戦闘が続いていることが報じられています。

ファイナンシャル・タイムズの主張は、停戦合意が守られない場合に、たとえ、ウクライナへの武器援助を行なったところでロシアの軍事優位は崩せそうになく、原油や天然ガス安とルーブル安で、弱まってきているロシア経済への制裁を強めるほうが効果的だろうというというものです。
しかも全面的な経済制裁でなくとも、エリート層を標的とした経済制裁、たとえば、ビザ発給禁止の拡大や、マネーロンダリング(資金洗浄)規則の執行強化などでも効果的ではないかとしています。

この視点は、国の安全保障はなにも軍事力だけで実現できるものではなく、経済における影響力の強さや国と国の経済関係の健全性も重要だということをも示してくれているのではないでしょうか。


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