アマゾンが面白い新機能をスタートさせています。ネットで消費者が価格を決めるサービスといえばオークションですが、その逆で、売り主と値引き交渉ができる機能「Make an offer」です。
アマゾンの新機能はコレクター品向け:「価格交渉」機能を提供 ≪ WIRED.jp

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価格を競り合って落札するオークションがスリリングで楽しいのか、はたまた、こっそりこの価格でどうよと交渉して商談成立するのが楽しいのか、というよりももともとは、「競り」で価格が決まっていくのは、卸売市場や美術品のオークション、あるいは金融などのプロのビジネスで、一般的な「市場」では値引き交渉が普通です。
家電店で、「これいくらになる」と店員さんと交渉し、店員さんが計算機を叩く儀式を行い、では「これでどうでしょう」とやるのは見慣れた光景ですし、関西人のなかには百貨店でも「これ、いくらにまけてーな」と値切る人もいるというまことしやかな話もあります。

しかしネットでは先にオークションが広がりました。オークションサイトといえば、米国ではなんといってもeBayでしょうし、日本ではヤフオクになります。そして、eBayが誕生した1995年から20年を経て、やっとアマゾンが、値引き交渉のできる機能を売り手側に提供し始めましたことになります。

アマゾンもネットで消費者に直接販売する小売業者という姿から、アマゾンのサイトを利用して、小事業者でも販売できるマーケットプレイズを加え、次第にネット通販のプラットフォーマーに変貌してきています。同社のCFOが「アマゾン経由で販売された商品のうち、外部の出品者が販売しているものが39%を占めた」とインタビューで答えたという過去記事もありました。
アマゾンは将来、自社で小売りをしなくなる ≪ WIRED.jp

つまりそれをそっくり日本にあてはめると、楽天はネット通販で日本一だと言っていますが、もしかするとアマゾンは、日本でも流通総額では、同じ程度の規模になっているのかもしれません。

そうなると、さらに販売業者を惹きつけるためには、ネットでは定着している「オークション」市場にも参入したいところでしょうが、すでに強いライバルが存在するので、直接競合を避け「Make an offer」になったのでしょう。

サイトを見てみると、総合的な品揃えであるネットオークションとは対照的に、マニアやコレクターが対象となったアイテムが並んでいます。これもリアルな世界とは逆転しているところが面白いところです。

ビジネス規模拡大とそれを支える物流機能への投資、また無人ヘリによる宅配など、流通業としての世界制覇にすべての照準をあわせているアマゾンにしては、小技を利かしたサービスだなあと微笑ましく感じます。


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