予想通りに与党が勝利した衆院選でした。国民が安定政権を望んだ結果だと思います。景気の先行きの不透明感が増してきたなかで、政権までもが不安定になることには不安があるのでしょう。もうひとつの結果は、野党乱立にノーがつきつけられたことです。政党の淘汰が進み、野党は、民主、維新、共産の3党にほぼ集約されました。「次世代の党」は一人負けの結果で、突撃はしたものの、生き残ったのは平沼さんと園田さんの両巨頭だけとなり、見事に散ってしまいました。
これで安倍内閣が盤石の体制となり、さらに4年間が保障されたのですが、同時に小泉進次郎氏が選挙後のインタビューで答えたように「これから自民党にできないことがあった場合、すべて自民党の責任であり、言い訳はできない」状態になりました。

しかし、安倍内閣は選挙には勝ったものの、同時に3つのリスクを抱えた状態になりました。ひとつは、円安による国内産業への影響がどうなっていくのか。2つ目が辺野古への米軍基地移設問題がうまく進むのか。3つめは大勝した結果、野党再編を促す要因になってしまったことです。

まず、円安による国内産業への影響ですが、円安は原材料の調達コストを上昇させてきていますが、それが価格に転嫁できない状態が続いています。東大日次物価指数の推移を見ても、インフレどころかマイナスが続いたままです。
東大日次物価指数プロジェクト
日銀の12月の短観でも、先行きの不透明感が強まってきています。
12月日銀短観、円安・原油安の影響交錯し先行きに不透明感  | Reuters

円安は輸入価格を押上げるものの、消費が伸びてこないために、国内での販売価格には転嫁できない状態が続きそうだということになります。それは、国内市場に軸足を置いている産業、とくに中堅企業、中小企業の経営を圧迫し、給与も増やせない悪循環にはまりかねない状態となってきます。

今回の選挙で、与党は都合の良い数字のつまみ食いで、景気がよくなる、まかせてもらいたいとしたのですが、2月に発表されるGDP速報の数字は、普段景気で感じている実感に近いところに落ち着く可能性が高く、蓋を開けてみれば現実は、違うじゃないかと不信感が広がってくるかもしれません。

日本は、グローバル企業や輸出産業、またそれと関連する中間財の産業をあわせても、内需の規模には届かないので、この状況は、経済成長の足かせともなってきます。4月に行なった消費税の増税後の2四半期連続で経済成長がマイナスと景気後退を印象づけましたが、もし、景気回復があったとしてもかなりゆるやかなものになってきそうです。

景気回復ができない、あるいは弱いままだと、国内の閉塞感が広がるだけでなく、海外からの経済対策、構造改革への注文も増えてきます。

第二の沖縄の辺野古への米軍基地移設問題ですが、移設に反対の翁長知事が誕生しただけで終わらず、今回の選挙でも、4小選挙区すべてで自民党は敗北してしまいました。辺野古移設で地元合意をとることへのハードルがまた高くなってしまいました。
 <衆院選>沖縄小選挙区は自民全敗 辺野古移設へ強い反発 (毎日新聞)

第三のリスクは、野党再編が起こるかもしれないことです。今回の選挙は、野党多弱の時代に終わりを告げる結果でしたが、共産党との再編はありえないとしても、民主党の海江田代表が落選し、菅直人元総理もやっと比例復活した結果を考えると、つぎに立つ代表次第では、維新の党との共闘関係も十分にありえることだと思います。

この3つの問題が絡むと、安倍内閣の勢いも弱まりかねません。ここはぜひ、経済の活性化に焦点をしぼり、しっかり政権を運営していただきたいものです。


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