中国は世界の携帯電話の77%を製造しているけれど、自主開発の集積回路は3%にすぎず、中国自らの利益にはなっていないことを中国メディアが問題視する記事を報じているようです。
世界の携帯電話の77%が中国製、自主開発のチップは3%に満たず FOCUS-ASIA.COM -

しかも同記事によると、「中国の集積回路の輸入額はこの10余年もの間、石油を超えており、輸入全体のトップとなっている」とのことです。しかし、それは中国の産業が発展してきた歴史の必然です。

素材や部品などの川上産業と販売やサービスなどの川下産業の利益率は高いけれど、川中に挟まれた製造業は利益率は低くなってしまう、いわゆるスマイルカーブ現象が起こり、先進国の産業が、製造コストを下げるために人件費の安い中国に製造拠点を置いたり、製造を委託してきた結果、中国の産業が伸びてきたのだからしかたありません。

しかし、中国で製造したハイテク製品が売れれば売れるほど、日本や韓国、またその他の先進国が潤うという構造なのですから。

今日のように製造の自動化が起こってくると、資本さえ投ずれば、最新の製造設備が整い、それこそアップル製品でも、サムスン製品でも製造できます。参入障壁が低いので、当然プレイヤーも国境を超えて増え、激しいコスト競争が起こってくるわけです。長期的に見れば、アセアンやインドなどの成長が中国の産業と競合してきます。

今日は川上から川下のどこで強みをつくるのか、また事業をどう組み合わせるのかが収益力や競争力を高めるためには鍵になってきますが、川上の領域は優れた研究開発力、また高度な製造ノウハウが求められ、また川下の領域では優れたマーケティング力が求められてきます。

日本がアジアのなかでは突出した生産性をあげているのは、川上の技術に強いからです。研究開発投資とノウハウの積み重ねがあったからで、その結果、いまや日本はトムソン・ロイターが特許をベースにランク付けした『Top100 グローバル・イノベーター』にランクインした企業数で世界トップになる成果をあげています。
大西 宏のマーケティング・エッセンス : 「世界革新企業トップ100」で日本が示した知財力

では中国が一挙に日本の研究開発力に追いつけるのかというと、中国でランクインしたのは通信機器や通信設備で世界トップの華為(ファーウェイ)1社にとどまっています。

しかし、中国で、このスマイルカーブの罠から抜け出す別の道を示しているのが、アリババなどのネット企業の台頭です。しかし、なかでも注目したいのが、スマートフォンの小米(シャオミ)ではないでしょうか。成長が著しく、中国のスマートフォンの出荷台数で7〜9月にサムスンを抜き、また世界第3位に躍り出ています。

小米(シャオミ)のスマートフォンは、高機能でありながら、原価で売っているのではないかといわれるほど安いのです。ハードで利益をあげるというよりは、小米(シャオミ)が目指しているのはアマゾンです。つまり、ゲームやソフトの販売などの通信販売で利益をあげるビジネス・モデルです。川下に軸足を置き、ハードはその川下を広げるためのツールに使う戦略を展開しているのです。

こういった事例が、成功の法則として中国の産業に広がっていくと、日本にとって中国が手強い相手になってくる可能性がでてきます。

製造業のサービス化が時代の流れになってきますが、小米(シャオミ)は、そのトレンドの先端を走り始めていることになります。

そして、日本が世界の先進国と比較して弱いのは川下産業、あるいは事業の中の川下の分野です。日本の労働生産性が先進国のなかで低いのも、それが原因としては大きいのではないでしょうか。

日本でも、業務用の冷蔵庫や冷凍庫の福島工業が、IOT(もののインターネット)技術で、電力消費をコントロールするサービスを展開したり、ダイキン工業が店内設備の故障をビッグデータを活用して自動予測して、故障の予知や省エネをはかるサービスに乗り出したりといった、製造業のサービス化がはじまっていますが、サービスの高度化によって付加価値をたかめ、日本の生産性をあげていく動きが加速されてくることを期待したいところです。
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