もともと業績が悪化していたところに「上海福喜食品問題」の地雷を踏んでしまい、弱り目にたたり目状態に陥ってしまったマクドナルドですが、先月に通期予想の下方修正が発表され、170億円の赤字になることが発表されていました。
そして業績回復への対策として、「昼マック」の導入や価格体系の見直しや、「とんかつマックバーガー」の投入やお子様メニューの投入などが行われはじめています。しかし、それで業績回復ができるかというとはなはだ心もとないところです。

3連休の朝に、急いでいたので手早く朝食を済まそうと、道すがらのマクドナルドに寄ったのですが、レジに並んで、なかなか注文を聞いてくれない、注文しても出てこず思わぬ時間を食ってしまいました。理由はスタッフの不足です。スタッフはてんてこ舞いしたのですが、対応しきれなかったのです。並んでいたのは5人程度だったにもかかわらずです。もしかすると売上の減少で、スタッフ数を減らしてしまってそれが裏目にでた結果かもしれません。そういった混乱がその一店でたまたま起こったことでないとすれば、さらに想定外の悪循環も起こってきそうです。

マクドナルドの施策を見ていると、ほんとうに経営の教科書のようなメニューが並んでいます。「上海福喜食品問題」が起こる以前にもそれは指摘したところですが、なにか決定的なものが抜けているのです。

それは、さまざまな施策の仕上げにふりかける特別なスパイスです。

それは、人びとの頭のなかに刻み込まれているマクドナルドの「ブランド・イメージ」を大きく転換させるサムシングです。品質イメージを改善しようと、「見える、マクドナルド品質」のサイトを開設したり、テレビコマーシャルを投入しているようですが、理屈や説明だけでは不信感を払拭することは絶望的です。それは言い訳に聞こえてしまうのです。

冗談そのものですが、GIZMODEが紹介している記事がそのスパイスを紐解く最大のヒントであり、マクドナルドになにの改革が求められているのかの真実を物語っているように感じます。

なんと、オランダ人の若者ふたりが、マクドナルドのチキンナゲットを新しいオーガニックなファストフードだと偽って、オーガニック・フード・フェアに出品し、それを試食した人たちの反応を見てみたものでした。

結果は大好評でした。この記事は、「イメージとか先入観念も調味料の1つなんですね」と締めくくられていますが、その通りだと思います。
どうなる? マックナゲットをオーガニックフード・フェアに出品してみたら : ギズモード・ジャパン

奇しくも、イタズラがマクドナルド再生の実験そのものになったわけで、マクドナルドは、彼らに報奨金を出してもいいぐらいだと感じます。なぜならマクドナルドには、そんな実験は、おいそれとできないからです。

しかし、そんなイメージをつくるには、実際にそうしなければなりません。つまり、今あるマクドナルドのビジネス・モデルを根底から変えてしまうぐらいインパクトのある改革が必要だということです。

もし、「とんかつバーガー」を、「国産黒豚使用」とか、「鹿児島産豚使用」を全面に押し出していたら、お客さまからの反応はまったく違ったはずです。産地表示だけが全てとは思いませんが、焦点は、美味しさと安心をイメージしてもらえる、なにかに焦点をあてて、それを打ち出すための仕組みの改革に照準を定めることでしょう。


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