iPhone6/6Plusのヒットも、新製品効果が切れるとそれなりのところに落ち着くと思われるので、なんといってもApple Payが戦略の目玉だったはずでした。そのApple Payが、支払いパートナーであるMasterCardによって、MLBワールドカップで華々しくCMで登場したにもかかわらず、思わぬ事態に直面させられてしまっているようです。
Apple Pay初のテレビCMは、ワールドシリーズでMasterCardから - TechCrunch
つまづきの序章は、このApple Payで二重課金などのバグがでたことでしたが、それはまだ傷が浅かったとしても、なんと世界最大の小売チェーン「ウォルマート」、米小売第2位の「ターゲット」、7,700店舗を抱える米薬局最大チェーン「CVSファーマシー」、3番手「ライト・エイド」(約4,570店舗)が、いったん採用したApple Payから続々と撤退しはじめてきたのです。

どうも巨大小売業者から見れば、新しいシステムでありながら、クレジット会社を通す仕組みで、カード会社への手数料をなくせないことや、顧客の追跡ができないことなどに難色を示しているようなのです。
Apple Payを締め出されたアップルの回答、米大手小売の思惑 : ギズモード・ジャパン

いやはや製品と違って、サービスによっては、事業を広げるためにはパートナーとの協業が必要なのですが、思わぬ「巨大小売業」VS「アップル+カード会社」の対立構造にむかってしまっているようで、アップルがどう乗り切るのかが注目されます。協業が必要なサービスといえば、アップルが電子書籍で失敗してしまったことが思いだされます。

Apple Payは、ユーザーがさらにiPhoneを手放したくなくなる、つまり顧客囲い込みと経済圏の拡大につながる戦略的サービスであり、そこに大きな障害が立ちはだかってしまったことになります。

普通に考えれば、非接触型ICの利用が生活習慣として定着している日本からApple Payをスタートさせれば、それなりにスピーディに実績をつくれ、その実績で米国に切り込むということも可能だったと思うのですが、これまでにはなかった新しい状況であり、経過を見てみたい面白い事案になりそうです。


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