絶好調アップルと絶不調サムスンの明暗がドラスティックにあらわれています。iPhone6と6Plusが過去最高の売れ行きとなる一方で、サムスンのスマートフォンは対照的に第3四半期(7-9月)で売上高20.5%減、営業利益が59.7%減となる業績予測が発表されています。サムスンの不振はともかく、iPhone6/Plusの好調は、おそらく従来の専門家の視点で見れば理解不能な現象に映っているのではないでしょか。
韓国サムスン第3四半期予想、スマホ不振で約60%減益
Phone6/6Plusは、iPhone5sからの性能アップは小幅で、さまざまな機能や性能も、アンドロイド製品と比べて格別優れているとは言えません。しかも、サイズに関してはサムスンなどのアンドロイド製品を追随したわけで、アップルも終わったかに見える代物です。しかし現実は違ったのです。

しかし、画面サイズが大きくなった、そのことがもっともわかりやすい変化だったのです。それが「新しいiPhone」だという印象を強めたのでしょう。もはや自分自身も含め、一般の人々には、いくら機能や性能の向上、また優位性を訴えても、よくわからなくなってきています。スマートフォンもいよいよ製品のライフサイクルで見れば、成熟期にさしかかってきたのです。

両社の明暗がわかれたのは、成熟期にさしかかり、コモディティ化が始まった時に、それをどう乗り切るのかが最大の焦点になってきていることを感じさせます。

サムスンが絶不調に陥った最大の要因は、台頭してきた中国製スマートフォンとの競争の激化で、それにともなう価格下落です。そこにウォン高となり、価格競争力をさらに落とす結果になりました。

しかも、製品間の違いがよくわからなくなってくると、製品や価格以外の要素でいかに強みを持っているかが勝敗を分けます。低価格でチャレンジしてくるライバルへの防御体制を持っているかどうかが問われてきます。しかし、サムスンにはそれがありません。

プラットフォームとなるOSも借り物、アプリやコンテンツなどのエコシステムはグーグルに握られ、独自のサービスがあるわけでもなく、サムスンは製品の丸裸状態で、顧客を囲い込む術もなく、低価格帯の製品から順に中国製品に侵食されていきます。

成熟した製品が丸裸の競争に強いられると、いかに厳しい結果を生むのかは日本の情報家電が経験してきたことです。皮肉なことに、まずは価格で崩し、やがてラインアップを広げ、広告費用などで圧倒して日本ブランドに勝利してきたのはサムスンそのものでしたが、逆の立場で、同じ道を歩もうとしています。

逆に、アップルはそれらの製品以外の要素で多重の防御網をもっています。そして、その幾重もの防御網が、アップルのブランド力をも支えてきました。

知人のこの分野の専門家が、アップルのiPhone6/Plus人気は、ユーザーがいかに知識も見識もないミーハーかを示していると嘆いていましたが、そうではなく、その普通の人々をどれだけとらえることができるかに競争は移ってきているのです。

サムスンは「ものづくり」特攻隊の限界を示しています。これまでの日本ブランドの急速な凋落を見てきた目からすると、サムスンが「帝国」から「普通の会社」になる日もそう遠くない気がします。

アップルにとっても競争のステージが変わってきます。今回は日本にとっては恩恵のないApplePayが目玉でしたが、スマートフォン利用の新しいユーザー価値を生み出すには、焦点は、製品からサービスに移行していきます。そうなると同じスマートフォンのメーカー間の競争だけでなく、通信キャリアも交えた競争となってくるのではないでしょうか。


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