成城石井の買収をローソンが成功させたことが報じられています。コンビニとは業態が異なり、また全国で110店舗、売上高600億円を超えたばかりと規模の点では、すぐさま買収効果がでてくるとは思えませんが、ローソンにとっては、いい資源を得たように思えます。
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成城石井は、創業家が、2004年に創業家がレックス・ホールディングス(HD、現レインズインターナショナル)に株式を売却し、さらに2011年にレックス・ホールディングスが三菱商事系の丸の内キャピタルに事業売却した経緯があり、これで3度目の買収劇となります。今回の買収にも、イオン、三越伊勢丹、ローソンが加わったものの、ローソンが最終的には単独での買収に成功しました。三菱商事のつながりも効いたのかもしれません。
三越伊勢丹、幻の「成城石井」共同買収提案 (真相深層):日本経済新聞

成城石井の店舗数と売上推移
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※図は日経上記記事より

日経によれば、買収後も「成城石井」の店名は維持し、コンビニエンスストアの大量出店で培った店舗開発のノウハウで「成城石井」の店舗展開をはかるということですが、ローソンの物流機能の利用も当然加わり、「成城石井」の成長がさらに加速される可能性が生まれてきます。
ローソン、成城石井を買収 スーパー本格進出 :日本経済新聞

もちろん、ローソンにとっては、コンビニも店舗が飽和状態となってきており、新たな成長の種を得たことになります。「成城石井」は、都市型の商品構成で、しかもカテゴリーを絞って、その中の品揃えを厚くするユニークな存在で、立地には制約があるとはいえまだまだ店舗数は伸ばせそうです。分野は違うのですが、やはり無闇矢鱈に店舗数を広げることのできないスターバックスがロイヤリティ契約店を含めると1,000店を超えています。直感的には、それに近いぐらい店舗数が増えても不思議ではありません。

それよりも期待できるのは、買収の相乗効果です。今後、日本の流通業にとっての大きな焦点は、材料調達から製造と販売を直結するプライベートブランドの質、また販売比率となってきています。店舗数、売上高の規模を追求するだけでは、過当競争となるばかりか、水ぶくれ体質になってしまいます。日本の総合スーパーの弱みで、イオンは2014年第一四半期で営業赤字となり、その黄色信号が点灯しはじめています。コンビニにとっても、プライベートブランドの商品力を上げていくことが、店舗の魅力、また利益率の向上にもつながってくることは言うまでもないことです。

「成城石井」のオリジナル商品の比率は4割に達しているといわれています。それが、品質の割に、さほど高くないと感じさせる理由でしょう。

プライベートブランドを充実させようとしても、メーカーや卸におんぶにだっこの開発では、しょせん限界がでてきます。品質などの商品の魅力と価格バランスによる価値競争に耐える開発となると、結局は開発する人材とネットワーク力の資源が決め手になってきます。

とくに食品となると、レシピ開発だけでなく、原材料調達、製造、物流と多重の機能をコーディネートさせる能力が必要になってきます。それぞれの分野への知識、またそれぞれの分野にかかわっている人たちとのコラボレーション能力も問われるのですが、それを実現できる人材を育て、仕組みをつくっていくには時間を要します。

もし、ローソンが「成城石井」が持っているプライベートブランド開発の人材やノウハウに注目しての買収であれば、ローソンのプライベートブランド開発力はアップしてくるのではないでしょうか。

もちろん、「成城石井」のブランド商品をローソンでも展開し、ローソンの品揃えの魅力を高めることも可能でしょうが、むしろ「成城石井」の開発力を手に入れる意味のほうがはるかに大きいのではないでしょうか。


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