今回の仁川アジア大会でのさまざまなトラブルや問題を、日本よりはむしろ中国のメディアがかなり取り上げています。仁川アジア大会で起こっているさまざまな問題は、自制的な日本のメディアよりは、中国メディアのほうがむしろ詳しく報じているのではないでしょうか。国をあげて国家の威信を示すはずの仁川アジア大会が韓国の恥ずかしい姿をアジアに広げることになってしまっています。
放送では、観客のブーイングは音声が絞られていますが、それでもわかるのでがっかりを通り越してもの悲しさすら感じます。日本ではありえない光景です。
開会式や荻野選手の金メダル受賞時だけではなく、バスケットでも君が代への観客のブーイング、また日本チームが得たフリースローにも妨害の野次があったことを香港メディアがつたえています。
会場中が日本の国歌にブーイング、フリースローに大声で「やめて」―香港メディア|中国情報の日本語メディア―XINHUA.JP -

またバトミントンで、日本のが不利になる空調の調整があったり、フェンシングで太田選手が決めたと思ってもランプが点灯せず、剣を変えていた姿が印象に残っています。勝つためには手段を選ばないというのでは呆れてしまいます。また韓国の選手のマナーも問題視されているようです。
<仁川アジア大会>「小細工」する韓国人選手に中国コーチが怒り「不愉快、マナー違反」:レコードチャイナ
<アジア大会>とことんまでやる!韓国が勝つために“ずるい行為”、台湾メディアなど指摘―
<仁川アジア大会>金メダル取れずあいさつ無視、ゲーム中に...:レコードチャイナ

聖火が消えるアクシデントとか、弁当からサルモネラ菌が見つかったこととか、ネット界隈では仁川アジア大会でのお寒い運営が引き起こした失態に関してはネットにいくらでも転がっていますが、海外からの批判だけでなく、韓国のネットでも運営の拙さに不満の声があがっているようです。
「韓国は明らかに準備不足」と中国メディアが批判
仁川アジア大会の初日に運営が大失態 「世界に恥をさらした」など批判殺到 - ライブドアニュース

仁川市が果たしてこういった国際大会を開催する力量があったのかも疑問ですが、予算不足が仇になったのかもしれません。それでも仁川市の負担は膨らみ、08年末に一兆五千四百億ウォンだった市の負債が、昨年末で三兆一千五百億ウォンまで膨らみ、財政状況は国内自治体で最悪レベルに陥っているとか。
アジア大会 膨らむ負担 仁川市 5年で負債倍増:東京新聞:

さて、国家やマスコミが煽った反日ナショナリズムに洗脳されてしまった観客の存在がある一方で、韓国国民がすべてそうとは限らないことはいうまでもないことです。韓国が勝つことにしか関心のない観客もいれば、そもそも、仁川アジア大会そのものへの関心度低い人たちも多いようです。

韓国ギャラップの世論調査で、「仁川アジア大会に対する韓国世論の関心度、初めて50%を下回る」と中国の新華網が伝えています。記事によると53%が「興味がない」または「ほとんど興味がない」と答え、「全く関心がない」も16%に達しており、「関心がある」はわずか45%だったとのことです。韓国選手が活躍する競技以外では、観客数の少なく、空席が目立っていることに驚かされましたが、納得できる結果です。
仁川アジア大会に対する韓国世論の関心度、初めて50%を下回る―中国メディア|中国情報の日本語メディア―XINHUA.JP -

もうひとつ日韓関係で面白いと思うのは、朴槿恵政権や韓国のマスコミが反日を煽ったことも影響して、韓国からの観光客数が微減傾向をたどっていましたが、政府観光局の推計値では7月は前年同月の2.7%増、さらに8月は16.2%と大きく増加してきているのです。もちろんウォン高、円安の影響もあるのでしょうが、日本が嫌いならわざわざ来日しないはずです。
ちなみに観光客数では、中国からの来日外客数が今年の1月〜8月の合計で、前年同期の84%増と急増してきています。月別の推移を見れば、すでに7月、8月も来日観光客数で中国がトップになっています。

さらにこのブログでも取り上げたことですが、アウンコンサルティングが行なった2014年の「アジア10カ国の親日度調査」では、韓国の人たちの対日意識の変化があらわれていました。その箇所を引用しておきます。
韓国の結果を見ると、「日本という国」については、2012年には「大好き」が8%で、「好き」が28%で合わせて32%でした。それが2014年には「大好き」は8%と変わらないものの、「好き」は48%に急増し、合わせて56%の人が好意的だという結果になっています。しかも「大嫌い」は41%から16%に激減しています。
やはり中韓の「日本好き」が増えていた :大西宏のマーケティング・エッセンス

仁川アジア大会での各国メディアやネットでの批判が韓国にも流れ込んできているはずです。いや大会が終わればさらに流れ込んでくるのでしょう。その時に、偏狭なナショナリズムがいかに自らを辱める結果になったかの反省の声もあがってくるのではないでしょうか。

なにか朴槿恵政権の反日路線、ナショナリズムで国民を煽るという路線も、国民がしだいに飽きはじめ、秋風が吹き始めてきたのではないかと感じます。


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