スマートフォン市場はこれまでは急速な普及によって伸びてきました。しかし、昨今起こってきた行き過ぎとも思えるキャリア間の熾烈な乗り換え競争に見るように、にキャリア間の競争の焦点は普及から顧客争奪戦に移ってきたことを感じます。
また、流通企業、ネット企業などが、まるで雨後の筍のように格安SIMや格安スマホのサービスに参入し、おそらく一般消費者にとってはなにがなんだかわからない状態の様相を呈してきました。いよいよ通信料の低価格化の流れが生まれてきていますが、そちらも普及によって市場が大きく伸びる時代が終わりつつあることを感じさせます。
MVNO徹底比較:月額料金で見る“格安SIM”丸分かり一覧表――データ通信編 (1/3) -
しかし、スマートフォンの普及という点では、更地のような手付かずの市場が残っていないわけではありません。ふたつの市場です。

片方は高齢者の市場です。ビデオリサーチの調査では、15〜19才、20代のスマートフォン普及率が男性では70%を超え、女性では80%を超え、普及の限界に達したのに比べ、60代では男性が2割を超えた程度、女性では2割を切っています。しかし、使い慣れた携帯からの乗り換えに抵抗感の強いこの層への普及は、そうそう簡単ではなく、時間がかかりそうです。

■スマートフォン、携帯電話/PHSの性・年齢別所有率

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ビデオリサーチインタラクティブ | プレスリリース

もうひとつの残された更地は法人市場です。昨年末にMM総研が行なった調査では、スマートフォンで、社内に配布している企業は「本格的に導入利用済み」は19.9%に過ぎず、「テストまたは部分導入利用済み」の10.2%を合わせても30.1%です。
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法人ユーザーにおける携帯電話/スマートフォンの導入配布状況・ニーズに関する調査(2013年度版) - 株式会社 MM総研

かつてはエアコンにしても、PCにしても耐久消費財の普及を牽引するのは企業でという構図がありましたが、インターネットの登場以降は、むしろ個人が普及を先導するカタチが増え、スマートフォンもその典型だということです。そんな歪もあって、個人が持っているスマートフォンを会社に持ち込む、いわゆるBYOD(Bring your own device)も増加してきています。

しかし各通信キャリアがこの更地を見逃すわけがありません。

企業がスマートフォン導入に二の足を踏むのは通信料金がアップすることだったと思いますが、法人市場開拓をめぐる各キャリア間の競争が次第に激しさを増し、さまざまな料金割引などのサービスが登場し、携帯からの乗り換えや他社キャリアからの乗り換えたほうが通信費を抑えることができるようになってきています。

各キャリアの法人契約の場合の料金や割引については価格コムが各社のサービスへのリンクを掲載していますので参考になると思います。
価格.com - 法人向け携帯電話・スマートフォン|会社の携帯料金比較・見積もり

導入がまっさきに進んでいくのは営業部門でしょう。営業部門にスマートフォンの普及が進めば、営業のモバイル・ファースト化が急速に進んでいきます。営業部門がモバイル・ファーストでどのように変わってくるのかは、小冊子にまとめておきましたので、ご希望の方はこちらからどうぞ。
「モバイルが営業を変える」 冊子プレゼント | SFAで何が出来る?何が変わる? そして活用のヒント|アクションコックピット

スマートフォンのビジネスの流れで注目しているのが、キムタクのCMが流れているシャープの「AQUOS CRYSTAL(アクオスクリスタル)」です。注目を集めそうなデザインです。
マーケティングの主導権がさらにメーカーから、キャリア側に移りました。そしてソフトバンクが国内だけでなく、共同開発商品として、買収した米国のスプリントでもこの「クリスタル」を大々的に販売を展開します。
[AQUOS CRYSTAL]ソフトバンク、スプリント&シャープと共同開発したスマホ発売 - 産経アプリスタ

海外でのマーケティング展開力を失ったシャープが「ものづくり」に徹し、マーケティングはソフトバンクが主導するという分業化は、シャープが復活するひとつのあり方ではないかと感じます。


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