SONY再建の道のりは遠く、また厳しく、まだまだ身を削る消耗戦が続きそうです。そう感じさせたのが、2015年度に4000億円規模の連結営業利益をめざす改革を進めると高い志を掲げた平井社長の2014年度経営方針説明会のスピーチ内容でした。社員のみなさまもさぞかしこの先に不安がつのったのではないでしょうか。
ソニー株式会社 2014年度経営方針説明会
数値目標や具体的な達成に向けた施策を提示できなかったことについて、平井社長が理解を求めたようですが、数値の問題ではないような気がします。その道筋の先に、SONYが、どんな新しい世界を切り拓こうとしているのか、その夢を見せてもらえることへの期待を裏切るものだったのではないでしょうか。当然、厳しい論評が向けられます。

ロイターは、ゴールドマン・サックス証券アナリストの見解を紹介していますが、「スマホやデジカメの市場動向やコモディティ化を考えると、構造的に赤字から脱却出来ると見るのはまだ難しい」、テレビ事業についても「分社化の先に売却等の話が見えなければ、再び業績が悪化するリスクが残る」と辛口です。
ソニー株が反落、構造改革の信頼性乏しいとの見方 | Reuters

サンケイBIZの記事が、「電機部門は中韓勢との競争なども激しい上、新たな成長戦略もみえておらず、復活への道のりは険しい」としていますが、そのとおりでしょう。

いかに、スリム化をめざしてリストラを進めても、肝心の「成長エンジン」を失っている状態では失速のリスクを抱えたままです。最悪は、もう有名になってしまったSONYリストラ部屋が膨らむばかりになってしまいかねません。
SONYリストラ部屋については、ナベツネさんに反旗をひるがえして追い出され、いまや懐かしい人となったともいえる清武さんの記事があります。ご存知のない方はそちらをどうぞ。さらに詳しくは雑誌FACTAに連載記事があります。
日本家電業界の歪みの象徴「ソニーのリストラ部屋」とは? 【清武英利渾身リポート】 | 日刊SPA!

パワー不足の老朽化したエンジンを積んだままで、いくら空力向上とか軽量化にとりくんで効率をあげても、まるでダイハツのCMの「ベタ踏み坂」のような市場を登り切ることはできないのですから。

そういえば、かつてはVAIOブランドで人気のあったパソコン事業を売却することが発表されたときに、日経の武類編集委員のコラムに、ソニーの社員やOBから何度も聞いたという嘆きが紹介されていました。
「うちは長年、新しい技術やアイデアで画期的な商品を生む『技術のソニー』といわれてきたが、今はリストラやM&Aに頼る『算術のソニー』になってしまった」――。つまり、合理化などで一時的に収益が上がったとしても根本的な競争力は回復しない、という嘆きだ。
ブランドも売る、限界近づく「算術のソニー」

時を追って、どんどん引き算していけば、黒字事業だけが残ってすっきりするということですが、それは絆創膏をじわじわと剥がしていくようなものになってしまいます。

SONYの転換を象徴するかのように、およそ10年前にソニーショックが起こりました。SONYはイノベーションのDNAを失い、そのDNAを引き継いだというか、見事に奪ったのがアップルの故ジョブズだったのではないかとも感じます。
【ソニーの真実】ソニーショックはこうして起きた!甘い認識に市場の洗礼 - 経済・マネー - ZAKZAK

やはりここは、「算術」ではなく、しっかり「夢」を描いて、変人扱いされるほどのプレゼンテーションが必要だったのではなかったかと思います。率先垂範で、あるいはリーダーのイニシアティブで、つぎにどんな世界を実現しようとしているのかの狂気を見せて欲しかったですね。

まだ遅くはありません。アップルのサプライズを聞かなくなって久しく、また優等生のサムスンも新しい世界は描く創造力がないために、成長エンジンも少しづつパワーダウンしはじめてきています。ぜひリストラの先の、世間があっと驚き、固唾を飲んで見守りたくなるような戦略を語っていただきたいものです。

それにしても話題としては、巨人となってしまった家電の苦悩よりも、小さな家電企業のやんちゃな動きのほうが面白く感じる今日このごろです。家電ベンチャーのCEREVOが、経営体制を一新して、人員を4倍に拡大し、ウェアラブルデバイスも開発するとか。岩佐さんたち頑張っているんですね。
経営体制を一新するCerevo 人員を4倍に拡大してウェアラブルデバイスも開発へ | TechCrunch Japan


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