今日、SONYの2013年度第4四半期業績説明会が開催されますが、それに先立ち、業績の下方修正を発表しており、通期では1,300億円の赤字になるようです。黒字化を標榜し、蓋を開ければ赤字を繰り返すというのでは、まるでオオカミ少年だという批判もとうぜん生じてきます。
それにしてもSONYさんは、なにを目指して、どこに行こうとしているのでしょうか。
しかし家電事業という点では、悪いのはSONYだけでなく、黒字転換したパナソニックやシャープも、日立、東芝なども同じです。違いは、パナソニックは、不採算部門の資産をまるでバーゲンセールのよに売り切り、好調な車載ナビゲーション事業や、旧松下電工の住宅向け設備機器事業といった好調な事業に支えられての黒字化ですが、もう切り売りするものがなくなってきているので、改善ペースは鈍化します。
営業利益が大幅に改善:「中期計画の滑り出しは想定以上」、パナソニックが2013年度決算の純損益で3年ぶりの黒字に - EE Times Japan

日立や東芝は、家電は事業としては一部にすぎず、産業向けの事業で支えられています。パナソニックも、日立も東芝も、いずれも家電とは異なる事業領域を抱え、それが利益を生んでいるためにSONYほど厳しい結果にはなっていません。シャープは、最終製品の好調ではなく、液晶パネルを部品として供給することで立ち直ったわけで、こちらは戦略転換です。

いずれにしても、日本の家電は、いずれの企業も、海外市場で手痛い敗北をした打撃を被ったわけですが、SONYがもっともその打撃を引きずったままだということでしょう。

さて日本は自動車産業は健闘しています。トヨタの好調だけでなく、いまではニッチな存在となったマツダの快進撃には目をみはります。なにが違うのでしょうか。

市場のライフサイクルの問題だと思います。自動車は、先進国でも安定した市場規模を保ち、途上国では成長しています。しかも、市場が成熟しても移動手段としての自動車がなくなることはありません。しかし家電の場合は、製品だけでなく、製品カテゴリーのライフサイクルが短いのです。あっという間に成熟してしまいます。

しかも、自動車は参入障壁が高いのです。製薬と同じように、開発に巨額の資本が必要になってきているだけでなく、家電とは、一桁も違うほど部品点数が多く、開発も製造も複雑です。さらに安全基準のハードルも高く、それらが参入障壁となってきます。
しかし家電は違います。部品のコンポーネント化が進み、どの企業でも品質の高い部品を調達でき、組み立ても自動化が進んでいるために、設備投資さえ行えば途上国の企業でもいきなり先発メーカーと競争できるだけの品質を実現してきます。

その違いをメルマガでまとめておきましたので興味のある方はご参照ください。
マツダとソニー、なにが違う :

そして、家電は、そのシナリオのとおりに韓国に敗北し、その韓国も液晶テレビやスマートフォンなどのように技術的には成熟した分野から、中国からのキャッチアップの脅威にさらされてきています。スマートフォンやタブレットは家電のなかでは、数少ない成長分野ですが、日本はそこでも敗北してしまいました。

では日本のスマートフォンが劣っているのかというとそうではないと思います。日本国内で見れば、日本のスマートフォンも十分魅力的です。しかし製品がいいだけでは、市場の競争には勝てません。

SONYのスマートフォンXperiaもいい製品だと思います。しかし、スマートフォンの事業でまともに利益をだしているのは、サムスンとアップルだけで、しかもスマートフォンの分野ではほとんどの利益を独占している状態です。誰が考えても、開発やマーケティングに投資できる余力は大人と赤ん坊ほど違うという現実がが厳然と立ちはだかっています。

ではどうすべきなのでしょうか。競争の土俵を変えることです。SONYに必要なのは、サムスンやアップルが君臨する同じ土俵のうえでいい製品をつくることではなく、これまでにない独自の事業を生み出すことではないでしょうか。いい製品と言っても、新しいカテゴリーを生む事業を牽引する製品になってきます。
しかもアップルやサムスン、またその他の企業の追随を許さない障壁をもった事業、あるいは追随してこない事業です。他の分野の企業も集まって成り立つ経済圏をつくるというのもひとつの切り口でしょう。

それは企業の経営戦略の問題で、SONYが目をみはる戦略を打ち立てること、それにチャレンジする経営力が問われているということでしょう。

きっとSONYは、新しいカテゴリーを創造する、当然そんなビジョンを強く打ち出してくるものと思います。あとは、本気で、そこに資源を集中させることができるのかどうかです。家電へのこだわりを捨てるぐらいの思い切りを期待したいところです。


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