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兵庫県の養父市大屋町の樽見地区の山には、樹齢500年とも1,000年を超えるともいわれ、国の天然記念物に指定されているエドヒガンの大きな桜の古木があります。太い幹は、長い時代を生き抜いてきた年輪を感じさせます。この桜が長い年月の風雪に耐えてきたこと、また歴史を超えて多くの人たちの心に和ませてきたことを想うと、なにか神々しさすら感じます。そしてこの桜はどんな時代を見続け、どんな風に感じてきたのでしょうか。
駐車場から樽見の大桜までの坂道は、石垣が積まれた小さな棚田のようなところを通っています。桑を栽培していた跡地です。大屋町はかつては養蚕で栄えた町だったのです。町の中心地のあたりには、それを感じさせる立派な古い商家も見られます。
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その町のなかで「レートクレーム」と書かれたレトロな看板を見つけました。昔だから右から左に読みます。調べてみると「レートクレーム」は化粧品で、化粧品では日本ではじめてフランス語をつかった商標だったそうです。きっと時代の新しいトレンドがこの店から発信されていたのでしょう。戦後まで続いた平尾賛平商店から売られていたようです。
平尾賛平商店 - Wikipedia

大屋町には明延鉱山跡があります。こちらも、かつては栄えていました。鉱山で働く人たちのための娯楽・集会施設が残っていますが、収容人員が1000人を超え、映画が上映されたり、一流の芸能人や歌手も来たそうです。

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鉱石の輸送や住民の生活を支えていた小さな鉄道の列車「一円電車」が保存されていますが、月一度日曜日は実際に乗せてもらえるそうです。2012年の7月〜9月のサザエさんのオープニングにもちらっと登場しています。
サザエさん 09/02 2012 投稿者 CXtop1

閉山でもうすっかり寂れてしまった今も、鉱山に変わって、切削工具の工場がありましたが、かつての繁栄を感じさせる風情が随所に残っています。

地方に行くと文化遺産が残っていたり、かつての繁栄を見せてくれる資料館があります。そして、そういった遺産や資料に触れると、産業には栄枯盛衰があり、その変化とともに地域も栄枯盛衰があることを感じさせてくれます。そう、時代はとどまることなく変化していくのです。