北海道に行って、オススメしたいおみやげのひとつがセイコマートのワインです。北海道でワインといえばまっさきに思いつくのがセイコーマートではないでしょうか。セイコーマートは北海道ではトップにコンビニでセブン-イレブンでも勝てません。セイコーマートはコンビニとしては非常にユニークです。コンビニとしては珍しく低価格戦略をとっており、競合しているのは他のコンビニというよりもスーパーだと感じます。お店に行けばPB比率が圧倒的に高いことがわかります。

ワインにいたっては、ワンボトル500円前後からの品揃えです。以前、セイコマートのボジョレヌーボーを買って帰り、レストランの許可をえて、それの倍以上の価格のボジョレヌーボーと銘柄を隠して飲み比べをやったのですが、ほとんどの人がセイコマートの安いボジョレヌーボーに軍配をあげたことがありました。
今朝の日経を見ると、そのセイコーマートが台湾にワインを輸出を始めることが報じられていました。といっても北海道や国内産というわけではなく、フランスやスペイン、またチリ産のワインです。

ボジョレヌーボーの解禁日には、セイコーマートのチャーター便で直接空輸してくることも毎年の行事になっていて、今年は3便にわけ、初荷約3万6千本が新千歳空港に来たようです。

なぜ、海外から輸入しているワインを、台湾に輸出できるのかを考えると、生産している海外のワイナリーを抑えていることが容易に想像できます。

セイコーマートは非上場で、また自社について語ることはあまり積極的ではなかったために、秘密のベールに包まれている感がありましたが、最近は「カンブリア宮殿」や、ビジネス誌でいろいろと記事に取り上げられることも増えてきたようです。

セイコマートの強みは、ひとつは、かつてダイエーの中内さんが、生産、加工、販売の「垂直統合」を標榜していましたが、それを見事に実践し、生鮮品や飲料など、多くのカテゴリーでそれを実現していることです。もうひとつは物流のネットワークです。全道へ生鮮品を配達できる物流網を持つのはセイコーマートしかありません。今週のブロゴスのメルマガでもそれを取り上げました。

コンビニの競争は、規模では出店数、利益では回転率とPB比率、インフラではITと物流で左右されますが、とくにITと物流は見えづらいところです。日経ビジネスがセイコーマートのITと物流の内製化についての特集記事が書かれていました。ITと物流が融合した仕組みと仕組みの競争は、ネット通販の世界でも起こっていますが、ホットな分野であることは間違いありません。やがてこういったITと物流のインフラと、消費者がつながっていく時代もそう遠くはないのでしょう。
物流は単に「モノ」を動かす仕組みではない。モノを正確に管理できれば、在庫削減など「カネ」の節約に直結する。モノを起点に拠点の再配置などを進めれば、「ヒト」の働き方も変わらざるを得ない。セイコーマートだけでなく、多くの企業が物流とITの交差点に潜む巨大市場に気づきはじめたようだ。

いずれにしても、いまやコンビニ業界は海外出店競争を展開していますが、いわばメーカーや商社として海外に販路を広げていくという戦略はユニークで、これからも注目しておきたい企業のひとつだと感じます。


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