サムスンがスマートウォッチ「ギャラクシーギア」を今月の25日から発売するそうです。SONYがすでに最初のSmartWatchにつづき、第二弾のSmartWatch2を発売し、また他にもチャレンジはあるのですが、いまだにスマートウォッチ時代が幕開けしたと言うにはほど遠いのが現実です。
さてサムスンのスマートウォッチへのチャレンジは成功するのでしょうか。アップルがiWatchの名称で商標登録を行っており、来年にも発売されると言われていますが、サムスンがこのポスト・スマートフォン時代の切り札をアップルに先駆け、圧倒的な販売力で市場を制覇するのでしょうか。
サムスンのスマートフォンでの実績からすれば、きっといい製品なのでしょう。日経の記事によれば概要は以下のようです。
新型端末「ギャラクシーギア」は時計のように腕に巻き付けた状態で通話でき、1.63インチの平らな画面でメールを簡易に表示できる。ベルト部分にカメラとスピーカーがあり、スマホの基本的な機能を持たせた。電池は標準的な使い方で28時間弱持つという。110種類の専用アプリケーション(応用ソフト)も備えた。価格は299ドル(約2万9800円)。

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しかしスマートウォッチ時代の幕を切って落とせるかというとかなり疑問に感じてしまいます。発表時のスクリーンに映された「ギャラクシーギア」のデザインがロイターに載っていました。デザインの好みは千差万別なのでなんとも言えませんが、少なくとも新時代の到来、凄い、こんな発想があったのかというサプライズはありません。技術の足し算をすればそうなる、個別のデザインを追求すればそうなる、できることを集めればそうなるというレベルは超えていないように感じます。

なぜそうなのでしょうか。それはコンセプトの弱さです。スマートフォンをどう位置づけるかの問題だと思います。サムスンはこれまで伝えられてきたことも含め、どうもスマートウォッチを「サムスン製のスマホの補完」と考えているようです。それでは今持っている腕時計からスイッチする動機としては弱すぎると感じてしまいます。SONYのSmartWatch2や他のスマートウォッチにも感じるところです。それが現在のスマートウォッチの現在の限界なのだろうと。

スマートウォッチでイメージが重なって見えてくるのは、かつてiPodが登場する前に雨後の筍のように登場してきたMP3プレイヤーです。いくつかのものは実際に試聴したこともありましたが、触れるにつけ、機能や品質は十分に携帯オーディオの新しい時代の幕開けを予感させるものでした。

決していずれも品質や性能が劣る製品ではありませんでした。しかしウォークマンの牙城はまったく崩れませんでした。走っていても聴ける、ウォークマンよりもコンパクトで携帯に便利だ、ほとんど日本でしか普及しなかったMDはともかく、カセットテープよりもはるかに音質がいいといった発想ではMP3プレイヤーは普及しなかったのです。

実際に大成功を収め、市場を切り開いたのは後出しジャンケンのように登場してきたiPodでした。iPodには新しい技術は取り入れられていたとしても、特に驚くべき技術があったわけでもありません。iPodがブレークしたのはコンセプト、堅く言うなら基本設計概念の違いでした。あなたの持っている音楽アルバムをすべて持ち運べる、いつでも好きなときに、その時に聴きたくなった音楽が聴ける今までにない魅力を創造したからでした。

スマートウォッチも同じことが言えそうです。スマートウォッチでなければ実現できない世界を感じるサムシングが開発できなければブレークしないのではないでしょうか。
「スマートフォンの補完」ではスマートウォッチでも十分で、さらにスマートウォッチを使えばすこし便利さが増す程度でしょう。

「スマートフォンの補完」ではスマートフォンのアクセサリーとなってしまい、市場規模もたかが知れています。健康管理やナイキのNike+FuelBandのように一日の運動量を計測もできるでしょうが、それはそれで先発のライバルがいて、新たに生まれた機能でもありません。

おそらく、アップルがスマートウォッチを出すと噂されて久しいにもかかわらず、なかなか出てこないのは、そんな魅力を創造するアイデアがいまだに生まれていないか、あるいはアイデアがあってもそれを実現する技術がまだ充分でないかのいずれかだと思います。

アップルが、iPodやiPhoneをリリースした時のようなサプライズをスマートウォッチでも実現できるのか、はたまたSONYやサムスンと同じような発想のものしかでてこないか、
いずれになるのでしょうか。あるいはアップル以外で、この限界を打ち破るコンセプトのイノベーションを起こす感度の高い、ハイセンスな企業が登場してくるのでしょうか。

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