みのもんたのテレビ番組「サンデーずばッと」にでていた森永卓郎氏は、経済をほんとうにわかっていない人です。テレビ局も、笑いをとるために出演させるのはいいとしても、あたかも経済の専門家のような立場で紹介するのはどうなんでしょう。オタク評論家とかタレントと紹介すれば問題はないのですが、経済の専門家の肩書をつかうことは考えものです。

円安で輸出がどんどん増えてきている、家電や自動車も大変良い決算だった、これからもどんどん増えると発言していたけれど、データひとつ見ていないのでしょう。嘘をついてはいけません。円安で輸出がどんどん増えた事実はありません。
貿易統計の速報値では、輸出数量が伸びたのは、やっとこの7月になってからで、しかもプラス1.8%に過ぎず、それまで13月連続で、円安にもかかわらず輸出数量は減りつつづけていたのです。

しかも原発が止まっているためにLNGや原油の輸入増があって、さらにそこに円安が加わり、貿易赤字が拡大していることはご存知の通りです。

家電や自動車各社の決算がよかったことも、そのほとんどが円安で、円換算した売上が伸びたことが原因でした。好決算だった代表的例のトヨタとキヤノンを見ても、中味を見れば、輸出の伸びではなく為替の影響のほうがはるかに大きかったのです。

森永卓郎氏は貿易統計も、各社の決算説明資料も見ていないのでしょう。だから頭のなかだけで考え、円安なら輸出が伸びる理屈だと思い込んでいるのです。価格だけで市場の競争力が決まるわけでもなく、今では海外生産も広がってきているので必ずしも円安だから輸出が伸びるとは限らないのです。

知ってか知らずか、それも言わずに経済を語る森永卓郎氏を経済評論家の肩書で出演させ発言させるみのもんたの番組の意図はなになんでしょうか。