マイクロソフトは今でもビジネス分野では強いというものの、かつての帝国と呼ばれた頃の面影はありません。それを象徴するような出来事が起こりました。なんとグーグルがウィンドウズフォンのYoutubeアプリをアクセス禁止にしてしまったのです。アプリが発表されてから50時間後の決定だというのですから、まるでお仕置きです。
確かにマイクロソフトは今でもビジネス分野では強いのですが、スマートフォンやタブレットで乗り遅れ、またOSで制覇し帝国を築いたPCそのものが不振となり、足元が揺さぶられては、それをカバーしきれず、2013年第4四半期(4-6月)が予想を下回る結果もしかたないことだと思います。期待のタブレット「サーフィス」も売れず、値下げを余儀なくされ在庫調整による損失まで決算に響きました。

そこにグーグルからのアプリのアクセス禁止の措置です。グーグルはHTML5で書かないと認めないということなので、ウィンドウズフォンのOSをバージョンアップしなければYoutubeアプリは使えません。いかに飛ぶ鳥を落とす勢いのグーグル帝国だとはいえ、なにかその怖さすら感じる出来事です。
Google、Windows PhoneのYouTubeアプリをアク禁―「HTML5で書け」とMicrosoftに要求 | TechCrunch Japan : 

ことインターネットで、マイクロソフトとグーグルの勢いの違いをもっとも象徴しているのがブラウザのシェアではないでしょうか。日本では、まだマイクソソフトのインターネット・エクスプローラがトップの座を占めシェアが51.8%、グーグルのクロームが、22.6%という状態なので実感できないかもしれませんが、世界シェアではもはや2012年にクロームが逆転し、今ではクロームのシェアが39.9%に対し、インターネット・エクスプローラは28.0%にまでシェアを落としてしまっています。StatCounterのグラフを掲載しておきますが、青線がインターネット・エクスプローラで緑線がクロームです。ほんとうにドラスティックな変化を感じます。
技術の変化が激しいにもかかわらず、マイクロソフトは古いバージョンのインターネット・エクスプローラとの互換性という避けられないお荷物を抱えていることが弱点となり始めているのでしょう。
 

時代の変化といえば、2006年の頃にインターネット・エクスプローラのシェアが低下しはじめたことをこのブログで書きました。その部分を引用しておきます。それにしても当時はまだインターネット・エクスプローナのシェアが75.88%もあったのですね。その後、独占状態が崩れ、王座から滑り落ちるとは想像もつかなかったことです。記録しておくことは時代変化を感じるためにも大切なことだと改めて感じました。

アメリカのJancoAssociates社のニュースリリースによると、2006年の7月の時点で、ついにMicrosoftのブラウザInternetExplorerのシェアが、75.88%にまで落ち込んだそうです。昨年の5月時点では、84.05%だったので、一年で8.17%ポイントもシェアを落としたことになります。第2位のFireFoxは、昨年の10.89%から13.71%に、Netscapeは昨年6位で0.29%でしたが本年では第3位4.98% にそれぞれシェアを伸ばしています。

それにしてもPC周辺の企業は総アウトですね。かつては優れたビジネス・モデルの代表例として取り上げられ、成長が著しかったデルも第2四半期は、売上高は横ばいで72%減益という惨憺たる状態です。

成長分野は、たとえ市場で独占的な地位を得たとしても、技術の変化や、新しいカテゴリーが生まれたり、周辺からの新規参入があって、長くその独占を続けることは容易ではありません。それだけリスクが高いということでしょう。まさに「ゆく川の流れは絶えずしてもとの水にあらず」が短サイクルで、しかも地球規模で起こっているのが現代です。

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