「一本にこだわる」日本柔道も、こと運営になると、上村春樹会長がくんずほぐれつの寝技にもちこみ、逃げきりの粘りを見ているようです。いやはや信頼失墜のツケは大きく、街の柔道道場も生徒が逃げて大変だと伝えられていますが、どうなのでしょうか。

パワハラだけならまだ園田監督を切ることで逃げおおせたのでしょうが、日本スポーツ振興センターからの指導者助成金を不正に受給していた疑惑、福田元理事が女子選手にセクハラして退任、一連の不祥事を内閣府に提出した報告書が内容が不十分として突き返されるとなると、もうマネジメント能力がなく、組織そのものが腐っていると世間は考え、そのトップが居座るとなると全柔連に対する不信感はさらに深まります。
上村春樹会長がいつ辞めようが居座ろうが、外野席にとってはどうでもいい話ですが、柔道連盟の立て直しに対する覚悟とか、本気度をアピールできないままにズルズルと「柔道オワコン感」が広がっていくのはいくらなんでもまずいのではないでしょうか。それに「国技」と胸を張っていたのが、「日本の恥」となってしまいかねません。

上村春樹会長の辞任問題をめぐっては、全柔連の評議員会で従来からも問題視されていた派閥争いまで見せてしまったわけですが、派閥問題がこの機におよんでも根深く残っているということは、よほど利害得失が絡んでいるということを匂わせます。柔道は、「道」を追求する競技ではなく、OBともなれば「利権」を争う競技だったということになります。なんで競技に、「明治大学OB」とか「東海大OB」とかで線が引かれるのか不思議です。関係ないでしょう。

まだ、危機感が薄く、社会を見ないで、内部事情にしか目がいっていない評議員の方も多いようで、「東北6県は上村会長を支持すると決定している。上村先生は風格もある、頭もいい、立派な人。安倍総理だって一回経験して立派な政治をしている。何で支えないんですか」という発言も飛び出したとか。

鈍すぎます。

もう上村春樹会長がどれだけ能力があるかとか、立派な方なのかではなく、今の全柔連が解決すべき課題は、社会から受けている不信感や不快感にどう向き合い、ゼロからの立て直しの決意をどのように全柔連が見せることなのですから。それに安倍総理が以前辞めたのとは状況があまりにちがっていて、安倍総理も引き合いにだされるとは迷惑な話でしょう。

全柔連が国民が納得できる改革を打ち出せない限り、教育上もよろしくないので、いっそ柔道の公益認定を取り消したらいいのではないかとすら感じますが、柔道を終わらせないということなら、上村春樹会長が、我が身を捨て、あっと驚くような改革を断行し、自らがタイマーをかけた10月の試合終了までに、世間をうならせる鮮やかな一本を取るしかありません。時間が経つにつれ、一本認定の判定が厳しくなり、ハードルが上がっていくことを全柔連関係各位のみなさまには、ご理解いただきたいものです。

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