昨日は大阪府の豊能町の「浄るりシアター」に出かけていました。『〜ドキハキが飛び出した!〜三代澤康司一座のホンマに来ました in 淨るりシアター』を見に行ったのです。これは朝日放送のパーソナリティ番組『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』に能勢町の「浄るりシアター」から番組に来てほしいというリクエストがあり、それを受けて実現した公演です。番組が飛び出して、大阪の中心部からもさほど遠くはないとはいえ、里山の風景が広がる能勢にやってきたのです。

この企画で驚かされたのは、番組でチケット販売を告知して20分後には前売りの300席が売り切れてしまったことです。500名強を収容できる会場は当然満員でした。馬鹿にできない番組のパワーです。しかも、観客の人たちには結構高齢の方も多かったのですが、そういった人たちが番組での告知から20分位内にチケット予約を電話で行った行動の速さにも感心します。そういえば、ラジオで「ジャパネットたかた」の通信販売が継続されているところを見ると、やはりラジオを聞いて反応するリスナーの方がそれなりにいらっしゃるからでしょう。
『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』は、昨年、この番組と「びっくりドンキー」がコラボから生まれた期間限定メニュー「ドキハキ 牛肉とキノコの和風ハンバーグ」のプロモーションがユニークであり、マーケティング事例としても面白く、このブログで取り上げたことがあります。それを見た局のスタッフの方からお声がかかり、電話で番組に登場するというハプニングがあった番組です。また今年も「びっくりドンキー」とのコラボをやることになるかもしれないとラジオで三代澤さんが言っておられたところを見ると好評だったのでしょう。「びっくりドンキー」の各店が競い合う内部効果もあったのでしょう。
このイベントには、三代澤康司さんに加え、月曜日のパートナーの桂紗綾さん、タレントの山田雅人さん、左手のピアニスト智内威雄さん、大神楽の豊来家板里さんも参加し、ほんとうに役者揃いで、二時間の公演予定が30分もオーバーしたにもかかわらず、まったくそれを感じさせない中味の濃さでした。
さて、最近、巷では「最近のテレビは面白く無いねぇ。どこでもお笑いの人がでていて変わり映えがしない。案外ラジオのパーソナリティ番組のほうが楽しめるよ」という話を耳にすることがあります。ちなみに会話の主役は中高年の人たちです。
確かに朝の通勤時の車中で朝日放送の『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』を聞いていますが面白いのです。もちろん今や関西のラジオのパーソナリティとして人気が高い三代澤康司さんの芸ともいえる話術の巧みさもありますが、番組を貫いている「リスナーはファミリーだ」というコンセプトによる企画の面白さです。
リスナーは直接参加ではなく、メールとファックスによって参加するのですが、三代澤さんをハブにして、リスナーとリスナーがいわば共感の輪でつながり、またそれが番組のコンテンツにもなっていることです。
この関係はインターネットのソーシャルネットワークの世界で、ハブになる影響力の強い人がいてコミュニティが広がっている関係と近いものを感じます。もちろんインターネットの世界の人と人の関係、つながりの複雑さに比べればシンプルな構造です。
ただ、三代澤さんやスタッフの人たちがアクティブで、商店街に、はたまたリスナー宅を訪れ、リアルな世界でもファミリーの絆を深めていることはネットにはないサムシングを感じます。
ラジオ放送はローカルだという限界があるにしても、逆にそれだからこそ、番組をとおしてファミリーとして共感しあう関係が築かれ、しかも継続をとおして深まっていくところが、視聴者と番組の関係が希薄で移り変わるテレビとの決定的な違いではないでしょうか。また細切れで流れるCMとは一味違った物語性のあるプロモーションもできることなど、ラジオが持っている魅力は他のメディアではなかなか代替できないものです。
今回は、三代澤さんが豊来家板里師匠の指導を受けた大神楽の傘回しの初お披露目もあったのですが、会場に来た人たちはみなさんラジオでその練習が始まって以来の苦労話をを物語として聴き続けていたから、どれほどできるのかにハラハラ・ドキドキで釘付けになったのでしょうし、成功した時の拍手もそれがあったからでしょうし。また傘の上で回した毬もリスナーの人が送ってきてくれたものというのもファミリーの絆の深さの証だと思えます。
ラジオは確かに地味なメディアです。最近でこそスマホを使ってRadikoで聴けるようになったとは言え、ラジオを聴くツールも持っていないという人も、またラジオを聴く環境にない人も多いことも事実でしょう。ラジオ番組が青春とともにあった過去とは環境が大きく変わっています。
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