ちょっと判断するには早いかもしれませんが、国内ではかつての成長力を失い、頭打ち状態に陥っていたユニクロの独走がまた始まるかもしれません。2月の国内既存店売上高が、前年同月比9.6%増と好調でしたが、おなじく身の丈のカジュアルウェアを売るファッションセンターしまむらとの結果の差が際立っています。
ユニクロ
小売業は、店舗数の増加による売上増は、たんなる嵩上げということもありえるので、一般的には既存店の売上動向に注目します。それがビジネスの実力を示しているからです。その既存店の月次売上対前年比を、ユニクロとファッションセンターしまむらで比較してみました。この2月は、ファッションセンターしまむらが対前年8.9%減と大きく売上を落としているので対照的な結果となっています。
身の丈のカジュアルウェアということでは、月次情報がわかるライトオンを見ても、ファッションセンターしまむらと似たりよったりで、ユニクロがこの分野ではおそらく一人勝ちだったのではないでしょうか。
一皮むけたユニクロと、進化できない他のアパレル企業とのワニの口が開き始めた瞬間かもしれません。

ひとつの原因として考えられるのは、2月が例年よりも寒く、ヒートテックやダウンジャケットなど機能性商品などで、その寒さ対策の需要を捉えた結果でしょう。これは機能性商品のブランドとして蓄積したことが効いたのだと思います。

ただそれだけではないと感じるのは、テレビCMを大量に流しているウルトラストレッチジーンズがヒットしているのと、もうひとつは「ラクな私が、いちばんカッコイイ。」をコンセプトにしたレギンスパンツが登場し、ユニクロが実用性とファッションを楽しむことの両立を実現してきていることではないでしょうか。男性用に「メンズレギンスジーンズ」も投入してきています。

アパレルのマーケティングのコンサルタントである小島健輔氏も、ユニクロのモードが変わり、ようやくガラパゴスなファッションから卒業したとベタ褒めです。
ユニクロは昨AW(秋冬)ぐらいから「薄い」「軽い」「キレイ」「スリム」「カラフル」というモードトレンドにシフトしつつあったが、今春のラインナップは目を見張るほどその5条件を具現している
アベノミクス景気と世界的なモード回帰で「等身大」なカジュアルチェーンが壁に当たる中、グローバル&モードシフトを急進させて名実共にグローバルブランドへ変貌するユニクロに、もはや失速のリスクはなくなった。
ユニクロのモードシフトに注目 | プロフェッサー小島健輔の言いたい放題(小島ファッションマーケティング代表) : 

こちらはこれからの春先にも売れるでしょうから、成長のエンジンとも事業の柱ともなるカテゴリーを加えたことになります。しかも小島健輔氏の言葉を借りれば、「アジアや欧米のマーケットを実感したゆえのグローバルシフト」の結果で進化しはじめたということなのでしょう。

今日の市場の変化は、変化が早いだけでなく、グローバルなトレンドの影響も受ける分野が増えてきています。かつては日本市場が世界の先行指標となり、日本のトレンドが数年遅れて欧米に波及するという分野も少なくなかったのですが、今日ではむしろ日本の企業の進化が遅れ始め、トレンド発信力を失ってきたことをひしひしと感じます。

ユニクロが海外に翼を広げることで、海外市場で揉まれ、再びトレンドを生み出すパワーを取り戻しはじめたことは、アパレル業界に限らず参考になるのではないでしょうか。

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