なんじゃらほい、これ。しかも少し前に同じような記事があって連載じゃないですか。前のはスルーしたけれど今回はちょっと口出ししたくなります。
いくら金を貯めようが自由ですが、もっと消費にも使えと言えよ、それに、統計データぐらい見ておけと言いたくなります。この記事の通りなら、もうすぐ大量の「老後難民」が発生し、大変なことが起こってくることになります。
家計調査年報平成23年で見て、勤労者世帯ですら50代だと、貯蓄現在高が1,487万円、ローンなどの負債が516万円なので、差し引きすれば971万円。60代でも働けている世帯で、貯蓄現在高が2,160万円で、負債が220万円なので、差し引きで1,940万円しかありません。
勤労者でなく全世帯となると、60代でも貯蓄現在高が1,293万円で負債が758万円で差し引きは538万円なのです。しかも、厚生労働省調査では、平成19年で勤続35年以上の定年退職者の退職金は、大卒(管理・事務・技術職)で2335万円、高卒(管理・事務・技術職)で2001万円で、しかも企業年金で支給されたものも含めての話です。
話を簡単にするために平均値でいえば、現在働いていて停年を迎える60代では、実質の貯蓄がおよそ2000万円、退職金が2300万円とすれば、それでも合計で4300万円にしかなりません。この記事のとおりなら世代間の資産格差どころか、現在の高齢者の多くが「老後難民化」していくということになります。しかも、今の現役世代が60代を迎えたころは、日本経済が再生しない限り、もっと状況は厳しくなっているはずです。
例の日経記事はいったい誰を対象として書いた記事なんでしょう。そういえば大企業に勤めていて引退したサラリーマンの方で、酒に酔った勢いで、現役時代の自慢話、あげくのはては、まことしやかに老後は数億円必要だと説いて周囲から白い目で見られるという姿も散見されますが、きっとその類の人なんでしょうか。
日本の経済が病んでいるのは、みんなが将来に不安をかかえ、消費を控え貯金にまわす、企業も投資よりは内部留保を積み上げるというマインドが広がり、投資が停滞したり、消費が停滞し、それがまた経済の活力を削ぐというマインド・デフレの罠にはまっていることだと思います。
日経はそのことをわかっているはずなのに、さらにマインド・デフレを煽る記事を掲載する神経は正直驚きとしかいえません。おそらく日経の社員のマインド、俺達だけでもしっかり金を貯めこんで老後を愉快に過ごそうという意識を映しているのかもしれません。
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