
西松建設からの政治献金問題も見事逃げ切ったものの、もう表舞台にでてこられることはないと思っていた二階俊博先生が国土強靭化計画で見事総務庁会長代行に復活され、地元和歌山に凱旋された様子がテレビに映っていました。
それはもう、公共事業で潤う土建屋さん、高速道路の用地収容でピカピカのお屋敷を建ててもお釣りが来る人たちからすれば、さぞかし希望の星で、大歓迎ぶりは想像に固くありません。それってみんな子供たちの将来から奪いとっている金なんだよということなど一言でも言えば、袋叩きにあうに違いありません。
この和歌山県は、はたして国土強靭化計画が、ほんとうに国土強靭化をはかるものなのか、利権をバラマキ、それを集票手段とする選挙資金なのかをウォッチするいいターゲットだと感じます。
なぜなら、和歌山は、昨年の台風12号による豪雨で熊野川が氾濫し、昭和28年に起こった紀州大水害に匹敵するような甚大な水害を受けています。普段は深い谷あいを静かに流れる熊野川ですが、熊野本宮のあたりまで浸水したり、道路が崩壊したり、またがけ崩れで埋もれたり、大変な災害を受けています。ダムも役に立たなかったのです。
こちらの冊子に被害の状況が生々しく紹介されています。
こちらの防災対策を講じ、将来の災害にも備えようというのならそれは当然行なうべきでしょう。これは国土強靭化の冠に値する公共工事です。
しかし、二階先生へは、二階先生がねじ込んだといわれる「二階バイパス」の4車線化の要望も強いのです。いやもっと紀州全体を高速道路で結べという声すらあるようです。さてその高速道路で、いったいなにが和歌山の経済の活性化に役立つのでしょうか。まったく理解できません。和歌山はすでに御坊まで阪和自動車道が伸び、さらに那智勝浦新宮道路、いわゆる二階バイパスで田辺まで伸びています。
和歌山には自然の恵みがあり、農業や水産業が盛んです。紀州の梅干は全国一の生産量を誇り、那智勝浦港は、冷凍ではない生マグロの最大の集積港です。太地町はクジラで有名です。それらの農業や水産業が高速道路を造ったからといって栄えるとは到底思えません。
温泉にも恵まており、道路が整備されてきたことで観光客もさぞかし増えたのかと思いきや、年々減少の一途をたどっています。白浜温泉には空港まで整備されており、さらに二階バイパスが開通し、交通の便は格段に良くなったのですが、観光客は毎年のように減ってきたのです。もっといえば関空からもっとも近くでお城があるのは和歌山城だし、立地的には恵まれています。
だから交通の便で負けているから観光地間の競争に負けてきたのではないのです。観光地としての魅力づくりで他の地域に負けている、つまりソフトの問題です。今日の観光ニーズに対応した産業転換やブランド化がまだ成功していないから、いくら道路をつくっても効果は期待できません。
さて、利権に群がる人は勢いがあって凄まじく、また党内には、土建利権また農村利権にバラマキ集票マシンを復活させようという先生方も意気揚々ですが、また財政が悪化し、日本沈没の状況とならないように舵を切っていかなければ、それこそ安倍総理は「土建屋政党」と成り果てた自民党最後の首相になりかねません。安倍総理がどう手綱を締めるかの手腕が問われてくるのでしょう。
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