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成長著しかったコンビニに壁が立ちはだかってきています。大手コンビニでは店舗数を増やすことで、売上を作っているものの、既存店売上高が昨年から頭打ち状態に陥ってしまったのです。つまり販売効率が落ちてきているということですが、小売業は販売効率が落ちると、やがて競争力を失い衰退していきます。
それを取り扱った記事で、ローソンの新浪剛史社長が「アマゾンは怖い。これは最大のコンビニエンス(便利さ)だ」と危機感を隠さないそうですが、そういった変化をトップが不調の原因にすり替える発言がある限り、ちょっとローソンはちょっと厳しそうです。

確かにネット通販の台頭に少しは影響を受けるとしても、どう見ても、セブンイレブンと比べて、商品力の弱さのほうが目立っています。とくに弁当などの日配商品といわれるカテゴリーでは、どう見ても商品点数、また商品の質や価格で劣っています。

以前にも1店舗あたりの売上高に差があると書いたことがありますが、1日当たりの全店の平均売上高(日販)でも68万2000円でトップのセブンに対し、2位のローソンは55万8000円、3位のファミリーマートは53万7000円と水をあけられている状態です。売上高だけでなく、1店舗が稼ぐ利益のほうが格差が大きいような気がします。

コンビニも5万店となり、そろそろ飽和状態になってきているので、まずはコンビニ間での競争が激化してくるのは避けようがありません。競争力を高めるには、魅力ある独自商品を充実させることとが第一ですが、新製品の企画力、また開発力、調達や生産能力が問われてきます。いよいよ店舗数競争から、質の競争に移ってくるのではないでしょうか。

それとやっと遅ればせながら手をつけはじめたかという重要な記事がありました。楽天が自ら在庫を持ち、配送するという自社物流を今年6月をめどに構築するそうです。なんでもテナントまかせでは、アマゾンに納期などのサービス品質で勝てません。もう顧客はよほどの商品でもない限り、翌日に商品が来るのは当たり前なのですから。
コンビニだけでなく、ネット通販の世界も、たんに便利さだけで伸びる時代ではなく、競争の時代にはいり、サービスの中味が問われはじめてきているのでしょう。

楽天が自社の物流を持てば、やっとビジネストとしては「市場」から「流通」としても一人前になりますが、いかに早くアマゾンなどの他のネッツ通販のライバルにキャッチアップできるかが勝負になってきます。

しかし物流を自ら運営するのははじめてのこと、つまりはじめてリアルなビジネスの世界に踏み込むので、物流を運営する体質や能力があるのかどうかが試金石になってきます。遅れを取り返し、アマゾンにキャッチアップしていただきたいものです。

欧米の小売業のジャイアンツたちは、好景気時よりもむしろ不況期に成長しています。消費が停滞するとより高い品質を、より安く提供する、あるいはより高いサービスを提供する仕組みやノウハウが競争力となってきます。その競争力を持ったところが勝者になっていくのでしょう。

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