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米倉会長がアベノミックスを、金融緩和では需要は生まれないとまるで相手にしないという勢いで批判をしたにもかかわらず、「悪意があったわけではない」と安倍総裁を招き、会員企業のみなさまのまえで握手の手打ち式を行い、さらに「無鉄砲」などと批判していた従来の見解を撤回する記者会見を開いたのは、どうも無節操に政権に擦り寄ったという印象をつくってしまいました。なにか手のひらを返して擦り寄ったという印象、また経団連の威光の陰りを感じます。
米倉経団連会長:安倍氏への批判、撤回 緩和圧力「心配ない」− 毎日jp
 
米倉会長は、なにか需給ギャップを埋める魔法の政策でも期待されていたのでしょうか。政治が需給ギャップを埋めようとすると、どうしても手っ取り早く実行できる公共工事になってしまいます。
もちろんインフラの維持や都市間競争力を強化するために必要な公共工事ならいいのですが、需給ギャップを埋めるための公共工事は、事業の効果を精査する余裕がないために、将来になんら役に立たない質の悪い事業が水ぶくれになってしまいます。これまでも、日本の財政悪化を加速しただけでした。

いや需要は我々経済人が努力して生み出す、新市場創造にむけて、経団連会員企業が一致団結して積極果敢にチャレンジするので、規制緩和、それにむけた法整備をよろしくとでも言えばカッコ良かったと思うのですが、そうはならないところがまた経団連なのでしょうか。

それに国内の需給ギャップを埋めようと思うと、日本の多くの企業、とくに成熟した企業が陥った罠から抜けださないといけません。未だに国際競争力を保っている素材や部品、また設備などの分野を除くと、多くの成熟した企業では、投資を抑制し、リストラを行なって総人件費を抑えることで、利益を残すという消極的な守りの経営をやってきた、そのために内部留保が溜まっても、それが生かされなかった、だから資金でどれだけ利益をあげたかの、資本あたりの生産性も惨憺たる結果になっています。

企業会員を多数抱える経団連が、会員企業は国際競争力をつけるための積極的な投資活動をしよう、どんどん成長分野に人材を投入して雇用も生み出そうとでも提唱されれば、少しは流れも変わると思うのですが、もうその元気を失ってしまったのでしょうか。それができないのなら、せめて思い切った賃上げでも行えば、需要を回復させることの一助となりますが、円高や電力不足などを理由にベースアップは「協議の余地はない」とし、定期昇給(定昇)も「聖域にすべきではない」と実質的な賃下げも辞さない姿勢を表明したのですから、また内需は冷え込みます。

そして、金融緩和によるデフレ脱却どころか、需要が冷え込んでいるので、小売、外食の値下げがとどまりません。Digital Experience!の記事の通りで、もう価格崩壊とでもいえる状態になりつつあるのが現実です。

政治は選挙に勝つことが必要なのでどうしても短期的効果を狙いがちですが、基礎体力を失っている経済にカンフル剤を打ち続けても、グローバル化した経済のもとでは、国際競争の舞台でのゲームには勝てません。そして、ゲームの主役はそれぞれの産業なのですから、経団連には、ぜひ高い志を掲げていただき、明日の希望を感じる力強いメッセージを発信していただきたいものです。
いっそ、企業規模ではなく、成長力や国際競争力で会員のランクをつけ、高いランクの企業からリーダーを選ぶということをすれば、きっと経済界のヤル気も見え、情報発信力も高まってくるのではないでしょうか。

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