結局は携帯からスマートフォンに切り替えるユーザーを取り込めていないということなのでしょう。確かにauがiPhoneの扱いを始めたために、ソフトバンクとau両社の競争の盛り上がりのとばっちりを受けた影響ともいえそうですが、そもそも原因は内部に潜んでいるのではないかと感じます。
ドコモが勢いを失ったもっとも大きな原因は、昨年から多発している通信障害でしょう。ドコモなら、どこにいてもつながるので安心という優位性を保てなかったことだと思います。それによるドコモ離れの雪崩が起こってくるのは時間の問題だといわれていました。しかも総務省が、ドコモに再発防止の行政指導を行ったにもかかわらず、先月も工事ミスから、270万人に影響する通信障害が発生しているのですから、経営の緩みだといわれてもしかたありません。
ライバルのソフトバンクと比較しても、活力の差の大きさを感じます。「つながりにくい」「場所によってはつながらない」というハンディをソフトバンクは抱えていましたが、その克服、また悪評を晴らすことにトップが先頭に立って積極的に取り組んでいます。9月下旬に「繋がらない」と指摘された山手線エリアを1ヶ月ほどで改善。全駅LTE対応したと発表、ソフトバンク版iPhone5の「電池の持ちが悪い」という問題にも1ヶ月足らずで対応し、逆に「今やうちのほうが長持ち」と逆襲したり、1000駅で社員を総動員して接続テストを行い、「ソフトバンクは電波が悪い」という誤解を解くなど、必死さが伝わってきます。
また、ドコモは、スマートイノベーションへのチャレンジとして2020年ビジョンを掲げていますが、壮大な構想を持つことは結構なことですし、通信だけでなく通販やコンテンツ販売といったサービスをさらに広げていこうというのは理にかなっているとしても、打つ手になにか新しい時代を拓いていくという躍動感を感じません。
政府が描く成長戦略みたいなもので、いかにも立派に描かれていたとしても、打つ手にリアリティが乏しく、しかもユーザーにとって新鮮な驚きとなる体験をつくりだせていません。NOTTVについても、まだ使える機種が限られてしまっている状態でテレビ広告を使ったプロモ−ションを展開し、展開するのはまだしも、なにのことかわからない広告で、ずいぶん無駄な経費をつかうんだなあという感じでした。
そう見てくると、もちろんアップルの鬼のような販売ノルマを飲んで、iPhoneを扱えば、機種によるハンディはなくなって一時しのぎにはなるとしても、そういう他力本願ではなく、やることはもっとあるだろうと思ってしまいます。
アップルは、特定セグメントにターゲットを絞った戦略をとっており、アンドロイドのスマートフォンは、メーカー各社が、それぞれ特徴をつけ、多様なユーザーに柔軟に対応できるので、販売台数としてはアンドロイドのスマートフォンがiPhoneを凌駕する構図となるのは当然で、しかもこの点は戦略の違いによるものなので、今後も変わらないでしょう。つまり、iPhoneを扱うという選択でも、アンドロイドやマイクロソフトに絞った展開でも成り立つはずです。
![]() 美味しい飲み比べセットあります。酒米王様「山田錦」で仕込んだ至高の飲み比べ違いを感じてみ... |
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。