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厳しい経営状態が続いているシャープが32V型4K液晶ディスプレイを華々しく発表した一方で、「消費者庁から空気浄化技術『プラズマクラスター』を搭載した掃除機が排気口から放出されるイオンによって部屋全体に浄化効果があると誤解を与える表現」(日経)になっているとして、景品表示法違反にあたるとして消費者庁から再発防止を求める措置命令を受けました。いやはや弱り目に祟り目とはこのことかといわんばかりの問題発覚です。
広告表現の問題なので、当面の傷は小さいかもしれないのですが、確かに通販などでは、部屋の空気もキレイになるということを言っていたので、今後はそういった表現ができなくなっただけでなく、『プラズマクラスター』は、掃除機にとどまらず、空気清浄機、エアコンなどの白物家電で、シャープの看板であるだけに、その看板が傷ついたことになります。

どのメーカーも、液晶テレビが、海外では競争に敗れ、また頼みの国内も需要が冷え込み、白物家電に注力してきているために、この分野でも激しい競争が始まっています。そんな競争のなかでは、さらに追い打ちをかけられたことになります。

さて、解像度をフルハイビジョンの4倍にした4K2K(3840×2160ドット)表示が可能な液晶ディスプレイですが、おそらく医療やCAD、映像制作分野のディスプレイとしては魅力的だと思えます。価格が45万円程度になるそうですが、業務用としてはむしろ安く、限らえた小さな市場で、パーツメーカーとして、高付加価値化を狙うというのは、世界の強豪のライバルとは経営力やマーケティング力で差をつけられ、「ものづくり」に頼るしかないシャープとしては正解だと感じます。スマホやタブレット向けも考えられますが、そちらはそうとう厳しい価格の覚悟が必要になってきます。

しかし、月産1500台ペースだそうなので、末端では80億円程度、実際には事業としては年間で50億円を超える程度の規模となるのでしょう。今の企業規模を支える柱となる事業を狙おうとすると、ニッチな市場だけに、世界市場を席巻するぐらいの勢いが必要ですが、シャープ単独で切り開けるのかが気になるところです。

「明」と「暗」が同時にやってきたシャープですが、これといった戦略のないままでは困ったものです。「目のつけどころ」が違う経営者をはやく見つけるのがもっともいい処方箋でしょうが、技術だけでなく経営も自前にこだわり、またじがらみに縛られ、なかなか大きく舵を切れない日本型経営の罠にはまってしまっているようにも見えてしまいます。