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尖閣の海域への監視船の侵入で、挑発をつづける中国ですが、その強硬姿勢を取り続けることは日中双方への経済に大きな影響が生じてきます。
これまで右肩あがりであった中国経済に変調が起こってきているだけに、影響は無視できないものになってきそうです。中国国務院(内閣)のシンクタンク、国務院研究発展センターは、「中国の7-9月期国内総生産(GDP)は前年同期比7.4%増に減速し、2009年1-3月期以来の低い伸びとなった。ただ、市場条件は改善しているため、10-12月期の経済成長は多少勢いを取り戻す可能性もある」(ウォルストリート・ジャーナル)としていますが、おそらく額面通りに信じる人は少ないと思います。
そんななかで、中国がとった過剰な対日政策のいわばしっぺ返しも起こってきているようです。まずは、2010年の漁船衝突事件の後に報復としてレアアースの輸出を止めたことが災いし、中国産の需要が急減。1〜6月期の中国のレアアース輸出量は前年同期比で約4割も減って、価格下落にも歯止めがかからないと日経が報じています。日本のメーカーが、代替品の開発や、オーストラリアや米国など調達先の拡大したからです。

また、日本の自動車が売れなくなったために、中国の自動車産業の集積地で、日産、トヨタ自動車、ホンダと中国企業の合弁会社のある広州で経済に影響がではじめていることをウォルストリート・ジャーナルが伝えています。

日本のメーカーは我慢強く様子を見るために、労働者を解雇をしていないようですが、売れない状態が続くと、やがては数万人の雇用を失うことにもなりかねません。しかし、すでに中国の部品メーカーにはその影響が直撃しているようで、またこれまで賑わっていたホテルや飲食店も閑古鳥がないているそうです。
レコードチャイナによると、日本車の販売不振によって、中国の自動車市場全体でも、9月の販売台数は前年同期比1.75%減と、今年2月以来のマイナスを記録しています。

反日と日本叩きも行き過ぎると、とうぜん雇用不安も起こり、ただでさえ地方は、多大な負債を抱えており、経済の停滞が地方経済の破綻につながりかねません。地方によっては、地方政府が反日への沈静化をはかる動きもあることを日経が報じています。
9月中旬、キヤノンやカシオ計算機など日系電機大手の工場で反日デモが広がった広東省中山市。デモに参加した従業員たちからは賃上げ要求も飛び出した。混乱を押さえ込んだのは市政府だ。企業に対し、賃上げ要求に応じることを一律に禁止。デモなどを扇動した人物の告発に最高1000元(約1万2000円)の奨励金を支払うという通知も出した。
日本企業の進出渇望する地域も 「一つでない中国」  :日本経済新聞 :
これまでも、中国の賃金の高騰から、また日中間のギクシャクもあって、日本の製造業は「チャイナ・プラス・ワン」として、周辺のASEAN諸国に製造拠点を広げてきましたが、この流れがさらに加速させることは間違いありません。中国に残るのは日本の小売業、製造はASEANという構図になってくるのでしょう。これも中国の経済へのマイナスの影響となってきます。

なぜなら、中国の経済を牽引してきたのは、海外からの対中直接投資です。しかし、米国やフランス、オランダなどは2011年に対中直接投資を前年から2〜3割も減少させています。あまりにも法体制や社会習慣などが違いすぎるからでしょう。日本の企業も長い間それで苦労してきました。

それを補ってきたのが日本からの直接投資で、今や日本が最大の投資国となっていますが、それを無視したヒステリックな反日政策で、日本からの対中投資も減少させます。中国からASEANに投資先の流れが変わるからです。それは、ボディブローのように中国の経済にも影響してくることは避けられません。

しかも政治によって経済が翻弄されるというありかたは、日本だけでなく欧米の企業も「チャイナ・リスク」を意識せざるをえなくなり、さらに海外からの投資を減少させる可能性が高まってくることは想像に難くありません。

そういった状況を収めようとしてか、中国が強硬姿勢をとる一方で、暴動を起こした扇動者を逮捕するなどの、沈静化の動きもあるようです。

中国共産党大会で権力闘争に決着がつき、落ち着いてくれば中国の動きも変わってくるかもしれませんが、不安定な政治や、下手な政治は国益を損ねるということでしょう。

胡錦濤の忠告を無視し尖閣を政府が買い取って、緊張関係を深刻化させた野田内閣、またナショナリズムで国民を扇動し、国内問題をすり替えた中国共産党政府双方の政治責任は重いといわざるをえません。せめてもの救いは日本の国民や企業が冷静だということでしょうか。

尖閣問題の引き金を引いた石原さんが都知事を辞め、新党結成へと動きましたが、ちょっと将来の高齢化社会を彷彿とさせる面々では、いくら「新党」の看板を掲げても「新党」の新鮮さはありません。石原さんは、チャレンジする若い人がでてこない、だから出るのだと石原節を披露されていましたが、上から蓋をしていたのではいつまでも変わりません。

石原さんは、維新の会との連携を考え、しきりにラブコールを送っているようですが、維新の会が石原新党と手を組めば、もう維新の会は終わりだということぐらい橋下市長はわかっていると信じたいところです。古い保守の思想から抜け出せない石原さんと、あくまで現実主義の橋下市長では考え方も感性も、また支持層も水と油と感じるのですがどうなるのでしょうか。
 
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