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以前このブログで取り上げたことのあるデンマークからやってきた雑貨のタイガー・コペンハーゲンが、1ヶ月を超えた臨時休業を終え、本日から再びオープンするそうです。

オープン当初も予想をはるかに超えた来客で、レジ増設などのために臨時休業することもありましたが、その後に商品が売り切れてしまい、長期の臨時休業をよぎなくされたとは、おそらくタイガーにとっても世界ではじめての体験だったのかもしれません。臨時休業中に、想定以上の売れ行きに対応するために、倉庫を増やし、また商品を空輸で補充するなど再開にむけた準備を行なっていたようです。
1001923_picture_5987_1見事です。おそらく意図していたのではなかったのではなく嬉しい誤算だったと思うのですが、ものがない、欲しくても手に入らない、お店に入るのですら整理券をもらいそれから並ばないといけないとうことが、さらに人びとをタイガー・コペンハーゲンに行ってみたいという衝動を駆り立ててきました。

圧倒的に100円の商品が多く、その他もほとんどが300円とか500円程度のお手軽な雑貨の品揃えで、熱狂させ、これだけの話題をつくれることをタイガーは見せてくれました。

タイガー・コペンハーゲンは、モノを売るのではなく、デザインのセンスやウィットを売っています。「カワイイ」、「オモシロイ」を、また「カワイイ」「オモシロイ」を探し出会う楽しみを売っているのです。100円ショップとのもっとも大きな違いはそこです。まさに「モノを売るな、コトを売れ」を実現しています。素晴らしいマーケティングです。またそれを感じ、評価する消費者に日本は恵まれているということでしょう。

また、タイガー・コペンハーゲンの商品はいずれも価格の安いグッズですが、「待たせることで価値があがる」事例として今週のメルマガでご紹介した、注文して15月待たないと手に入らない無水鍋のバーミキュラや注文リストに入るのすら難しいエルメスのバッグなどと同じで、消費者が買いたくともなかなか買えない仲間に入ってきたようです。

販売数量を追い求めて、互いに同じ土俵で品質と機能の足し算で競い合い、どんどん価格を下落させ、需要を先食いしまった液晶テレビとは対照的なビジネスの世界がそこには見えてきます。

雑貨という小さな市場と液晶テレビという大きな市場は同じようには考えられないとお感じでしょうか。少なくともスマートフォンでは、アップルは「コト」を売り、サムスンは「モノ」しか売っていません。同じスマートフォンで、まったく異なるビジネス・スタイルが競い合っているわけですが、スマートフォンは成長市場なのでどちらも成り立つとしても、いくらサムスンがGalexyでアップルのiPhoneを数量では抜いたとしても、ブランド力、利益率では大きな差がでています。それについては月曜日の「アゴラ」に「アップルはコトを売り、サムスンはモノを売る」のタイトルで投稿する予定なので、続きはそちらで。

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