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自民党総裁選は見事にテレビジャックした感があって、どの報道番組を見ても同じ5人がずらりとならび、違う局でもみんな再放送みたいになると、いくらなんでも飽きてきます。
どの候補の方からも、とくに目新しい話はなく、林政調会長が51歳でもっとも若いとしても、親の七光りの顔ぶれが並ぶと、新鮮さがないというか、目新しい発想を感じる発言もありません。なかでも候補者として違和感があるのが石原伸晃幹事長です。
オウムのサリン事件とどう混同してしまったのか、「福島原発の第1サティアン」の発言は致命的だったと思うのですが、そちらは時が経てば忘れさられるかもしれません。確かにオウムがサリンを製造していた「サティアン」もあんな感じでした。

しかし、谷垣総裁を引きずり下ろしたことを明智光秀に例えられたとたん、「谷垣さん、私は好きです。すっごい好き」とは驚きを超えて不気味でした。背後から突然、背中を突いて谷底に落としておいて、そのセリフはないよと感じます。

他の野党の問責決議案に相乗りしたことは谷垣さんを窮地に追い込んだ決定的なミスだったと思うのですが、それなら幹事長である石原さんも共犯のはずです。あれは間違いだった、だから見切ったとでも言うのならわかるのですが、そうではありません。

「この辺で本気で気合をいれなきゃ、日本は沈没する。総裁にはっきりと、私にやらせて下さいと伝えた」ということですが、なにかよくわかりません。総裁、幹事長の関係で、突然、「私にやらせて下さい」とは、「谷垣さん、あんたではダメだ」という宣言そのものです。自分が権力のトップになりたい、そのチャンスを逃がしたくない、だから谷垣さん降りてください、党内はもう抑えていますと言って下克上をやったわけです。

それはそれで結構なことですが、任せてもらいたいと主張するなら、またクーデターを正当化するなら、その「理由(ワケ)」が必要です。「理由(ワケ)」があるから「道理(スジ)」も通ってくるのですから。 

さらに為替で、「新たな国際協調の枠組み」をつくって円高阻止を行なうということですが、どうやって実現するのでしょうか。他国も絡む問題です。それができなかったから今に至っているのです。これまでとはどう違い、石原さんならこうして実現できるという道筋や背景を示さないと、素人の思いつきだとしかいいようがありません。

せっかくクーデターを起こしたのですから、長老に好かれる優等生に収まらず、その勢いで自民党をぶっ壊し、政界を再編する、日本を変えていくリーダーになりたいとでも宣言していただければ迫力もあったのかもしれません。

日本を変えていくリーダーの本命は橋下徹ではなく、自分だと。 
 
古い殻のなかで、まるで学級委員長選びのような総裁選にしかならないというのも、やはり全員が親の七光りという限界でしょうか、そう言われないように、石原幹事長だけでなく、今からでも他の候補の方にも、もっと新鮮な政策構想や大胆な発想をもちこんで欲しいものです。

それにしてもどのメンバーも中国政府と深いパイプがなさそうなことが残念です。

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