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来月になると動物愛護週間がやってきます。動物とともに生きるということは結構なことです。ペットを飼っている人にとっては家族同様なのでしょう。それで生活にリズムが生まれ、また心に潤いが生まれれば素敵なことです。しかし動物愛護も、場合によってはさまざまな問題に直面することになります。

典型的には、次第に医薬品開発では動物実験を行うことが難しくなってきています。動物実験を行うと、動物愛護団体から激しい抗議の嵐に見舞われるからです。それは開発を遅らせます。医薬品によっては、効果のある新薬を待ち望んでいる患者の人もいるわけで、そういった人びとのニーズとはかならずしも一致しません。EUでは「動物実験」や動物実験をした製品の「販売禁止」の方向に向かってきていますが、行き過ぎの印象も受けます。

動物愛護の名のもとに、クジラを食べる伝統文化までをも否定する人たちもいます。反捕鯨を金儲けの手段としたギャングそのもののシーシェパードのような連中もいます。それを環境保護の美名で利用している企業もあります。彼らはそのためには人命すら犠牲にすることを厭いません。しかも捕鯨反対の裏には畜産輸出国のエゴがあることも理解しておきたいところです。それと動物愛護がからんで複雑になってしまいました。

動物愛護の精神も大切でしょうが、日本にとってもっと重要なのは海洋資源問題ではないかと感じます。魚です。畜産だけに頼っていると飼料問題が起り、今のようにアメリカで大干ばつが起こると、飼料不足の影響をどうしても受けてしまいます。海洋資源はそのリスクを回避するためには重要な存在です。

日本の漁獲量の推移
漁獲量
 

日本は幸いなことに海洋資源が豊富です。ところが、その漁業に黄信号がではじめてきているのです。漁獲量が急激に減少してきています。遠洋漁業で閉めだされていることもありますが、乱獲がたたり資源そのものが減ってきた魚もあります。マグロのように冷凍マグロの輸入で、価格が下がり、採算が取れなくなって漁獲量が減ってしまったところもあります。

今は乱獲というと中国ということでしょうが、日本もその乱獲の先頭に立ってきたことは否定できません。そろそろ漁業も転換期に入ってきているのではないかと感じます。漁業を産業としてとらえるだけでなく、資源を守り育て、安定した漁獲量を維持する体制や基準づくりです。動物愛護などの一方的な価値観を持った国ではなく、資源を必要としている日本が率先して資源保護と持続可能な漁業のあり方の世界のリーダーを目指してはいく道をめざしてはどうでしょうか。

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